Snow-White

🌨


私が歌えば小鳥も歌う。私が笑えば木々も笑う。

だけど、それは昔の話。



純白の森の中でひとつ、真っ赤な私。




目が覚めれば、真っ白な世界がある。

赤がよく映えそうね。

とても綺麗な世界の中の私。





私は、鏡の前に立つ

真っ赤なドレスを纏った姿に、白い肌、輝くティアラ、

そして綺麗な顔。


今日も美しい姿であった。




鏡に写っている窓には人影が見えた。

「お客さんね、」





バケットバッグを手に取り、外に出る。





「ごきげんよう。

久しぶりのお客さんなの。嬉しく思うわ。」



私は微笑んだ。


お客さんは、張り付いたような笑みを浮かべた。



「あら、今回もあまりお喋りする時間がなかったのね。

さようなら。楽しかったわ。」



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