Snow-White
私は床に散らばった鏡の破片を拾い上げ、

映った私を見る。

「世界で一番美しいのは誰?私?」

「違うわ。彼らが愛した白雪湖波よ。」



私はこっそりと部屋を抜け出した。






だいたいは、足音で部屋の構成を理解していたつもりだった。

が、想像とは違ったよう。



ここに、部屋なんて、そもそも空間なんて、なかったはずだ。


そして、あるはずの空間もない。



なぜだろう。



私は背後からの足音に気づく。

「白雪姫?何してる?」


樹、、、

「逃げようと思ったの。

けれどやっぱり森には帰りたくなくなったわ。

部屋に戻るわね。」


「そうか、」

やっぱり何かが違った。





森にいる頃は、お客さんの胸にナイフを刺して、

甘い料理を作って、甘い時間を楽しんで、

それだけで良かったのに、

だけどこのままではいけない気がする。



私は彼らに助けられたのだから、

恩返しをしないとね。


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