Snow-White
「そのティアラ、似合ってる」
と慎が言ってくれた。
すごく、幸せな時間だった。
その日が終わって、皆が寝て、
私は、
ひとり、
そっと、
森に帰った。
私は彼らの愛した白雪湖波に戻れなかった。
5人の内の誰かが魔法のキスをしてくれるまで、
眠りましょう、純白の森の中で。
彼らがいる部屋に、”いつか、会いに来て。ごめんなさい。”
と書かれた紙が落ちている。
気が付くのは誰なのだろうか。気が付く人などいるのだろうか。
「約束、よ。」
fin.