翠も甘いも噛み分けて
「そうなんだ。私のことスイって呼ぶの、高橋くんだけだから、なんでかなって思ってただけなの。気にしないでね」
自分の席に座り、マドレーヌにかぶりつこうとしたその時だった。幸成からの質問に、思わずむせてしまった。
「スイはもし彼氏ができたら、何て呼ばれたいんだ?」
咳き込みがようやく落ち着くと、翠は幸成から貰ったジュースを飲み、深呼吸をしてから答えた。
「そうだね……やっぱり名前で呼ばれたいかな」
特に思いつかなかったけれど、咄嗟に口に出たのは名前呼びだった。別に幸成なら名前でも今まで通りにスイでもかまわないけどな、と思ったけれど、それは即座に否定した。今のままでいい。この心地よい関係が続くなら……
「そっか、なら彼氏ができたら、そいつには名前で呼んで貰えよ。……さ、とっととこれ食って帰ろうぜ。明日はなにが食いたい? リクエストあったら聞くけど」
「やった! じゃあね、そうしたらチョコチップクッキーがいいな」
自分の席に座り、マドレーヌにかぶりつこうとしたその時だった。幸成からの質問に、思わずむせてしまった。
「スイはもし彼氏ができたら、何て呼ばれたいんだ?」
咳き込みがようやく落ち着くと、翠は幸成から貰ったジュースを飲み、深呼吸をしてから答えた。
「そうだね……やっぱり名前で呼ばれたいかな」
特に思いつかなかったけれど、咄嗟に口に出たのは名前呼びだった。別に幸成なら名前でも今まで通りにスイでもかまわないけどな、と思ったけれど、それは即座に否定した。今のままでいい。この心地よい関係が続くなら……
「そっか、なら彼氏ができたら、そいつには名前で呼んで貰えよ。……さ、とっととこれ食って帰ろうぜ。明日はなにが食いたい? リクエストあったら聞くけど」
「やった! じゃあね、そうしたらチョコチップクッキーがいいな」