翠も甘いも噛み分けて
* * *
「ねえ、なんで高橋くんは毎日スイーツ作ってるの?」
また別のある日、翠はずっと疑問に思っていたことを訊ねてみた。この日は先生に用事を頼まれて、放課後資料作りを手伝っていた。幸成と一緒に、コピー用紙を三種類ワンセットにして、ホッチキス止めを頼まれ、その作業中だ。
この頃には、なぜか先生方にも幸成と翠はワンセット扱いされるようになって、なにか用事を頼まれる時は一人で作業するにはかなりの時間を費やす文量のものばかりだった。
「俺に限ったことではないけど、成長期の男子生徒の胃袋って、ブラックホール並みだろ?」
会話をしながらも、お互いの手は止めない。話に夢中になってしまうと、それだけ帰宅時間も遅くなる。
翠は相槌を打って、話の続きを促した。
「俺の小遣いだけだと、買い食いしてるとどうしても足りないんだよ。腹が持たなくて。で、考えた末に行き着いたのが、ないなら作ればいい、と」
「ねえ、なんで高橋くんは毎日スイーツ作ってるの?」
また別のある日、翠はずっと疑問に思っていたことを訊ねてみた。この日は先生に用事を頼まれて、放課後資料作りを手伝っていた。幸成と一緒に、コピー用紙を三種類ワンセットにして、ホッチキス止めを頼まれ、その作業中だ。
この頃には、なぜか先生方にも幸成と翠はワンセット扱いされるようになって、なにか用事を頼まれる時は一人で作業するにはかなりの時間を費やす文量のものばかりだった。
「俺に限ったことではないけど、成長期の男子生徒の胃袋って、ブラックホール並みだろ?」
会話をしながらも、お互いの手は止めない。話に夢中になってしまうと、それだけ帰宅時間も遅くなる。
翠は相槌を打って、話の続きを促した。
「俺の小遣いだけだと、買い食いしてるとどうしても足りないんだよ。腹が持たなくて。で、考えた末に行き着いたのが、ないなら作ればいい、と」