翠も甘いも噛み分けて
幸成の言葉には説得力がある。確かに買うより作る方が安上がりだし、大量に作れる。それを即実行に移す行動力はすごいことだ。しかも、今まで翠にもお裾分けを貰ったものは、どれもおいしかったのだから、幸成にはお菓子作りの才能がある。
「すごいね。将来、そっちの道に進みなよ! 絶対才能あるから。有名パティシエになったら私、学生時代、高橋くんの手作りスイーツを毎日食べてたってみんなに自慢する!」
「言ったな? じゃあ、有名パティシエになった暁には、スイ、俺の欲しいものをくれよ?」
幸成が作業の手を止めて、翠を見つめた。その表情は、真剣そのものだ。茶化してしまうことのできない空気を察した翠も、作業の手を止めて幸成に向き合った。
「うん。じゃあ、約束。ただ、私は多分普通の一般人にしかなれないと思うから、欲しいものって言われても、高いものは買えないよ? それでもいい?」
「ああ、大丈夫。欲しいものは、その時までに考えとくよ。約束、忘れるなよ?」
「すごいね。将来、そっちの道に進みなよ! 絶対才能あるから。有名パティシエになったら私、学生時代、高橋くんの手作りスイーツを毎日食べてたってみんなに自慢する!」
「言ったな? じゃあ、有名パティシエになった暁には、スイ、俺の欲しいものをくれよ?」
幸成が作業の手を止めて、翠を見つめた。その表情は、真剣そのものだ。茶化してしまうことのできない空気を察した翠も、作業の手を止めて幸成に向き合った。
「うん。じゃあ、約束。ただ、私は多分普通の一般人にしかなれないと思うから、欲しいものって言われても、高いものは買えないよ? それでもいい?」
「ああ、大丈夫。欲しいものは、その時までに考えとくよ。約束、忘れるなよ?」