翠も甘いも噛み分けて
約束のスイーツ三昧
 披露宴も滞りなく終了し、二次会に流れていく友人たちを尻目に、翠は荷物を手に会場を後にした。幸成は二次会に行く人たちの中に紛れている。

 自宅に戻り部屋着に着替えると、バッグの中からスマホを取り出した。待受画面にNYAINのメッセージ受信通知が表示されている。一件だけではない。複数件の通知だ。DM系のメッセージは通知を切っているので、知り合いからのものだろう。翠はベッドに腰を下ろすと、スマホのロックを解除してNYAINを開いた。
 メッセージは、今日の披露宴に参列していた友人と幸成からのものだった。友人からのメッセージを開くと、今日の挙式披露宴の画像と共に、挙式後に翠と幸成が話をしている時の画像が送られていた。新郎新婦は高校時代の先輩後輩で、新婦は翠の友達だった。新郎は幸成の幼馴染という関係性で披露宴に招待されたのだという。友人に画像のお礼を伝えると、幸成からのメッセージを開いた。

『明日、仕事終わったら連絡よろしく』

 絵文字も顔文字もスタンプもない、シンプルな内容に思わず拍子抜けしたけれど、翠は思わず幸成らしいと思い、了解のスタンプを押す。スマホの画面を閉じるとスマホを枕元に置き、ベッドに横たわった。

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