天才脳外科医はママになった政略妻に2度目の愛を誓う
 彼の微笑みが眩しくて、慌てて頭を下げた。

「よ、よろしくお願いします」

 すると彼は「ひとつだけ――」と言葉を止めた。

 顔を上げて「はい?」と聞き返す。

「言っておきたいんだ」
 啓介さんは真顔で私を見る。

 なんだろう。なにか難しい条件だろうか。

「俺は子どもが苦手でね。あまり欲しいとは思っていない」

 ――子ども?

「だからすぐに子どもというのはちょっと……。それでもよければ」

「あ、弟がいますし、私に子どもがいなくても問題ないです」

 子どもがいなくても幸せな夫婦だっているもの。別に構わない。

 この選択は間違っていないよね?



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