オオカミと父親 ひねくれた純愛(おまけの小話・その3)
「じゃぁ、食べたら、牧場を案内しますよ」
俺がそう言うと、視界の端で、
エドナが、合図をしているのが見えた。

俺は立ち上がって、廊下に出た。

「何か、あったの?」

エドナが困り笑いをして
「あの・・アレク・・
お父様がね、パーティには、
絶対に来いと、言っているの」

俺は、額にしわを寄せた。
親父は一度言い出したら聞かないし、頑固なのだ。

エドナは、より難題があるというように、声をひそめた。

「それで・・アイリスちゃんも
一緒にって・・・」
「はぁ・・?」
「お父様が、ぜひ、会いたいって・・」

「俺は仕方ないけど、アイリスは無理だよ、
何も準備していないし」

俺は、廊下の壁に寄りかかり、
腕組みをした。

エドナも、同じように腕組みをした。
「そう言ったのだけれども・・
あなたに、病院で検査をさせた
女性っていうことで、興味があるらしくて」

「はぁーーーーー」
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