オオカミと父親 ひねくれた純愛(おまけの小話・その3)
これから先を考えると、
やはり、親父とはうまくやっていきたい。

特に、アイリスの事を考えると、
初対面の印象は重要だ。

「御挨拶だけでも、しておいた
ほうがいいと思うけど」

エドナの言葉に、俺も考えていた。

「彼女さえ良ければ、
私のドレスがあるから貸すし、
今から支度すれば、間に合うと
思うわ」
エドナは、強く推した。

「わかった、聞いてみよう」
俺は、食堂の扉を開けた。

教授は、コーンスープのマグカップを片手に、まだ、タブレットを
スクロールしていた。

俺は、教授の隣に座った。
「御馳走さま。とてもおいしかった」

「その、相談があるのですが・・」

俺は指を組み合わせて、
交渉モードに入った。

「実は今晩、親父の商工会議所のパーティがあるので、
それに俺も、出席しなくてはならないのです」

教授は、タブレットの電源を
切った。
「ああ、では私は、これで失礼しよう」
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