オオカミと父親 ひねくれた純愛(おまけの小話・その3)
「本当に・・美しいな」
俺はため息のように、言葉を出した。

「お父様は、セクシー好みだから、これなら合格でしょ」

エドナは、ふふと笑って、
俺の脇腹をつついた。

「親父の好みに、仕立て上げたのか!」
俺は、ちょっとくやしげに
声をあげたが・・

「お父様に認めてもらうには、
このくらいがちょうどいいわ」

エドナはよくわかっている。

親父の趣味は、
格闘技とミスコンの審査員をすることだ。
美人の基準については、結構うるさいのだ。

「つけまつげが重いし・・
ヒールが高くて怖い・・」
教授が、現実の困難さを訴えた。

「アレク、エスコートが必要よ」
エドナが、すぐに俺に指示した。

「アイリスちゃん、下をむかない、胸を張って姿勢をよくね」

教授は、無言でうなずいた。
高いヒールの靴で、ふらふらして
余裕がないのだろう。

「とってもきれいよ。自信を持ってね」

ミスコン荒らしの経験者である
エドナは、
トレーナーのごとく声をかけた。
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