オオカミと父親 ひねくれた純愛(おまけの小話・その3)
「アイリス・ハミルトンです。
はじめまして、ミスター・カーライル」
アイリスがスカートをつまんで、
軽く頭を下げた。

「おお、あなたが、
あの・・アイリスですね。
アレクがいつも気にかけている」
そう言って、
親父が、ニヤッと俺に笑いかけた。

俺は苦笑いをして、
うつむいているアイリスを見た。
目の部分が、おかしい。

何かが、下がっている。
虫がくっついているかのように、
つけまつげが・・
なんと、取れかかっているのだ。

「エドナ、彼女を化粧室に連れていってあげて」
俺は焦って、エドナを見た。

「アイリスちゃん、
お化粧を直しましょうね」
エドナはアイリスの手を取ると、
うまく誘導をしてくれた。

親父は二人の後ろ姿を、
じっくり観察していた。
< 21 / 33 >

この作品をシェア

pagetop