オオカミと父親 ひねくれた純愛(おまけの小話・その3)
「エキゾチック、クールビューティ、個性的で印象に残る。
ファイナリストには入るか、

でもウォーキングがつたないな。
もっと練習しなくては。
それに、周囲にアピールできないとだめだ」

「親父、別にアイリスを、
ミスコンに出すつもりはないよ」
俺は、ふてくされて言った。

親父は肩をすくめて
「仮に出場したらの話だ。
カーライル家に、
優秀な血が入るのは、喜ばしい事だと私は思うがね」

気の早い親父は、
すでに孫の事を考えているのだ。

「まだ婚約にも、こぎつけていない」
俺も肩をすくめた。

「お前にしては、やけに慎重だな」
「難易度が高いんだ」
「まぁ、頑張れ」。
親父は、無責任な激励をしてくれた。

そうこうしているうちに、
エドナが戻って来た。
「アレク、彼女は疲れているみたいだから、
少し控室で休ませるわ」

「ありがとう。
すぐに様子を見にいくよ」

親父が言った。
「アレク、新しい取引先の客が来ている。
そっちの挨拶と接待も頼むぞ。
私はエドナと踊りたいからな」
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