オオカミと父親 ひねくれた純愛(おまけの小話・その3)
「なんで、早く、
それを言ってくれなかったのですかぁ!!」
俺は額にしわを寄せて、
詰問する口調になってしまった。
子ウサギは、タオルで顔を覆った。
「だって、君は忙しそうだったし・・
車を呼んで、駅までいけば・・」
「その、恰好で・・
一人で列車に乗るつもりだったのですか!!」
俺は呆れるより先に、驚いた。
子ウサギ・シンデレラは、
ドレス姿で、とにかく時間に間に合うように走ったら、
高いヒールでこけて、足首を
ねんざしたというわけらしい。
「バックもドレスも、心配しなくていいです。エドナには俺から言っておくので。
それよりも、もっと俺を頼ってくださいよ。
甘えていいのですから・・」
子ウサギは、目をこすりながら
「甘えたら・・依存してしまう・・それは良くない」
半べそで反論した。
そうなのだ。
この人は、幼い時から、
人に甘える事をせず、生きて来たのだ。
頼る事を、許されなかった環境
だから、何でも一人でやろうとする。