オオカミと父親 ひねくれた純愛(おまけの小話・その3)
俺は彼女の足先を見た。
小さな爪には、
きれいなピンク色のネイルが、
塗られている。
エドナがやったのだろう。
この足に、キスをしたらどうだろうか・・・
「あのですね・・
男女の関係はキスして、
ベッドでイチャイチャしたら、
大体の事は何とかなるんです。
俺は、そっちを期待しているんですけどね」
「それは性欲の問題ではないか」
子ウサギは、常に独自の解釈で、
切り込んでくる。
「うーーーんと、それもありですけど・・」
俺は、歯切れが悪くなった。
とにかく恋愛は、言語ではないのだ。それが言いたいが・・・
俺は子ウサギの足をそっと床に
おろして、膝立ちをして抱きしめた。
せっけんの香りが、鼻をくすぐる。
「こうすると安心するでしょう」
子ウサギは、首を横に振った。