オオカミと父親 ひねくれた純愛(おまけの小話・その3)
妖艶でセクシーだった美女が、
まったくのお子様になって、鼻をかんでいる。
カワイイし笑える。

「俺はあなたを守るって、
前に言いましたよね。
困った時は、ちゃんと助けますから」

子ウサギは、鼻の頭を赤くして
うなずいた。

「カーライル、君が困った時は、
私も力になれるよう、努力するが」

まったくもって・・
言い方が固いんだけど・・・

「俺が困った時は、
絶対に助けてくださいよ」
俺が念を押すと、

子ウサギが手を伸ばして、
ためらいがちに、俺を抱きしめてくれた。

俺たちが、イチャイチャの関係になるまで、
長い道のりなのか、

ショートカットで、すぐにたどりつくのか、
先はわからない。

でも、こんな関係も悪くない・・・

「お腹すいたのだが、何かあるかな」
子ウサギは、体を少し離してから、恥ずかしそうに言った。

「ピーナッツバターのサンドイッチなら・・」
俺は言いかけて、
くすっと笑ってしまった。
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