せんぱいのおまじない
「こないだも頭、痛がってたよね? 大丈夫?」

 質問してみた。

「最近、よく頭が痛くなるんです。なかなか眠れなくて。多分それが理由なんだと思うんですけど……」

「そっか、寝不足か。眠れないかもしれないけれど、今ちょっと横になって、目を瞑るだけでも少しよくなるかもね。俺、そこにいるから、なんかあったら言って?」

「はい、ありがとうございます」

「あ、先生に言っておくね! 二年生だよね? クラスと名前、聞いていい?」
「三組、宇野小雪です」

 小雪ちゃんかぁ。保健室の真っ白なベッドも似合うし、彼女のイメージは白色だなぁ。

 彼女はベッドに横になった。
 俺はベッドのカーテンを閉めた。


 少したつとドアが開いた。
 先生が戻ってきた。

「赤西くん、いつもありがとね」
「いえいえ、そろそろ昼休み終わるので戻ります。あ、二年三組の宇野さん、頭痛くて眠ってます」

「分かったわ! 教えてくれてありがとね!」

 教室に戻った。

「寝不足かぁ……」

 彼女の事がずっと気になった。
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