せんぱいのおまじない
先輩、お昼休みいつも保健室にいるのかな?
気になって、お昼休みになると、こっそり保健室を覗くようになった。先輩は昼休み、結構頻繁にこの中にいる。
***
先輩と話せるチャンスが訪れた。
と言うか、声をかけてくれた。
その日は保健室を覗いてみると、誰もいなかった。
「どうしたの? 頭痛いのかな?」
覗いていると、後ろから声がした。
タイミングよく先輩が来た。
「あ、あの…いえ……」
どうしよう。先輩が気になってここにいるなんて、絶対に言えない。
「おいで!」
先輩がドアを開けてくれた。
「お邪魔します」
先輩の家に入るみたいで少しドキドキした。
「あ、そうだ! アロマ好き?」
いきなり先輩が私に質問をしてきた。
「アロマ、ですか?」
「うん」
赤西先輩は持ってきていた鞄の中からアロマの小瓶を取り出した。
「眠れないって言ってたから、次あった時にこれを渡したいなって思ってて」
「えっ? 私にですか?」
「うん。眠れない時、俺、このラベンダーのアロマ使ってるんだ」
先輩は制服のポケットから白いハンカチを取り出してアロマの小瓶をトントンとハンカチにやっている。
「はい、これ。どうかな?」
手渡されたハンカチを鼻の近くに寄せてみる。
「いい香りです」
甘くてほわっとした香りがした。
好きな香りだ。
「良かった! そう思ってくれて。早速このハンカチ、今枕元に置いてみる?」
「あ、ありがとうございます」
保健室で休むつもりはなかったけれど、休む流れになった。
優しいな、先輩。
前回みたいに、私がベッドで横になるのを確認すると先輩はカーテンを閉めた。
先輩が眠れない時に、使っているアロマの香りかぁ。居心地がよかった。
目を閉じていると、柔らかな香りに包まれながら、すぐに意識が遠のいていった。
気になって、お昼休みになると、こっそり保健室を覗くようになった。先輩は昼休み、結構頻繁にこの中にいる。
***
先輩と話せるチャンスが訪れた。
と言うか、声をかけてくれた。
その日は保健室を覗いてみると、誰もいなかった。
「どうしたの? 頭痛いのかな?」
覗いていると、後ろから声がした。
タイミングよく先輩が来た。
「あ、あの…いえ……」
どうしよう。先輩が気になってここにいるなんて、絶対に言えない。
「おいで!」
先輩がドアを開けてくれた。
「お邪魔します」
先輩の家に入るみたいで少しドキドキした。
「あ、そうだ! アロマ好き?」
いきなり先輩が私に質問をしてきた。
「アロマ、ですか?」
「うん」
赤西先輩は持ってきていた鞄の中からアロマの小瓶を取り出した。
「眠れないって言ってたから、次あった時にこれを渡したいなって思ってて」
「えっ? 私にですか?」
「うん。眠れない時、俺、このラベンダーのアロマ使ってるんだ」
先輩は制服のポケットから白いハンカチを取り出してアロマの小瓶をトントンとハンカチにやっている。
「はい、これ。どうかな?」
手渡されたハンカチを鼻の近くに寄せてみる。
「いい香りです」
甘くてほわっとした香りがした。
好きな香りだ。
「良かった! そう思ってくれて。早速このハンカチ、今枕元に置いてみる?」
「あ、ありがとうございます」
保健室で休むつもりはなかったけれど、休む流れになった。
優しいな、先輩。
前回みたいに、私がベッドで横になるのを確認すると先輩はカーテンを閉めた。
先輩が眠れない時に、使っているアロマの香りかぁ。居心地がよかった。
目を閉じていると、柔らかな香りに包まれながら、すぐに意識が遠のいていった。