妖の街で出会ったのは狐の少年でした
最終回 あなたと共に
よかった、ジュンとナツキが結ばれて
(おめでとう、ふたりとも)
私は蚊帳の外
「カズハ」
と思っていたら呼ばれた。
「何、ジュン」
「行かなくていいのか。」
「え?」
「もう、カズハを縛るものはない。
今1番会いたい人に会いに行け。」
「ジュン、ありがとう。私、行ってくる」
そう言い私は式場を飛び出した。
ベールはない。服はミズキさんからの借り物。ミズキさんはこうなるって分かってたのかな。だからあたしの服にしろって、汚してもいいからって言ったのかな。
どこにいるのか検討もつかない。
でも止まる余裕はない。
そもそも電車で行く距離を走るなんて
ほぼ無謀だよね。確信はない。
でも走った方がいいって勘がいう。
電柱に手をつき、肩で大きく息をする、
正直きつい、肺が痛い。
でも、誰かに取られてから傷つくよりマシだ。
いや、取られたとしても機会を窺って
奪えばいい。
ーわがままになってもいいんだよー
俺はもう我慢はしない。
(私は彼に)
(俺は彼女に)
((会いたい))
走り続けて
「カズハ様」
会えたという安心感から私は膝をつく。
「大丈夫ですか。」
お互い肺を酷使したのか2人して
息がすごく上がっている。
「電車、使えばよかったね」
「そう、ですね。」
「気が、ついたら、走っ、ていて、止まれなかった」
「俺、もです」
そして数分、お互いに息が整ってきた頃、
「ところで結婚式はどうなったんですか」
「あー、それは」
私は一連の出来事を話す。
新郎がジュンだった事。
式はジュンの父親の計画だった事。
そしてジュンとナツキが結ばれた事。
「そんな事になっていたんですね。」
呆れていたと思ったら急に真剣になった。
「カズハ様」
「はい」
「俺は使いの立場としてカズハ様に接する事で自分の気持ちを
封じ込めていました。困らせるだけ、主だからと理由をつけて。
でも、もう我慢はしません。」
「う、うん?」
いまいち意図がわからない。
「カズハ様、これからは主ではなく、妻、として隣にいてくれませんか」
ロクは顔を真っ赤にしていった。
これ以上ない幸せ、でも一抹の不安が
「それは地位と名誉のため?」
「え?」
「ごめんなさい、あの時、実は立ち聞きしてて」
そう、あの時、私は聞き耳を立てていたのでそのことは知っている。
自分でも最低だと思っている。
「俺は正直、地位と名誉はどうでもいいんです。
でも、強いて言うならあなたの隣にいることが俺にとって最高の地位と名誉です」
「カズハさん、俺と結婚してくれますか」
キャパオーバーしそう
「・・・はい」
ロクは私を抱きしめて言った
「絶対にあなたを幸せにしてみせます」
抱きしめたと思ったらすぐに離れ
「覚悟しててくださいね」
そう言いロクはニヤッとして
「カズハ」
私の胸は高鳴る、自分で思っているより私はロクに溺れているらしい
「うん」
「ちなみにカズハって言ったの2回目なんだ」
「2回、やっぱりあの時」
「うん、実は言っていたんだ」
「やっぱり」
「その服、似合ってるよ、」
「あ、ありがとう」
照れる私にロクは顔を近づけ、耳元で
「綺麗だ、誰よりも」
と、囁いた。
咄嗟に耳を隠したが、意味ないだろう。
そんな私を見て、ロクはクスリと笑い
もう一度私を抱きしめる。
その後俺とカズハ、ジュンとナツキは入籍。
ミズキ様にはすごく祝福してもらった。
ジュンはリョウという相部屋の人に羨ましがられたらしい。カズハは遺産を一度は相続したもののこれからの生活の頭金だけ取り
他は施設などに寄付をし、余ったお金は
役所に提出した。
変わる日常の中にも変わらないものがある。
俺は変わらないものをこれからも大切にする。
「どうしたの、ロク」
俺の笑みにカズハは問いかける
「なんでもないよ、カズハ」
俺は不思議がるカズハの口にキスをする。
(おめでとう、ふたりとも)
私は蚊帳の外
「カズハ」
と思っていたら呼ばれた。
「何、ジュン」
「行かなくていいのか。」
「え?」
「もう、カズハを縛るものはない。
今1番会いたい人に会いに行け。」
「ジュン、ありがとう。私、行ってくる」
そう言い私は式場を飛び出した。
ベールはない。服はミズキさんからの借り物。ミズキさんはこうなるって分かってたのかな。だからあたしの服にしろって、汚してもいいからって言ったのかな。
どこにいるのか検討もつかない。
でも止まる余裕はない。
そもそも電車で行く距離を走るなんて
ほぼ無謀だよね。確信はない。
でも走った方がいいって勘がいう。
電柱に手をつき、肩で大きく息をする、
正直きつい、肺が痛い。
でも、誰かに取られてから傷つくよりマシだ。
いや、取られたとしても機会を窺って
奪えばいい。
ーわがままになってもいいんだよー
俺はもう我慢はしない。
(私は彼に)
(俺は彼女に)
((会いたい))
走り続けて
「カズハ様」
会えたという安心感から私は膝をつく。
「大丈夫ですか。」
お互い肺を酷使したのか2人して
息がすごく上がっている。
「電車、使えばよかったね」
「そう、ですね。」
「気が、ついたら、走っ、ていて、止まれなかった」
「俺、もです」
そして数分、お互いに息が整ってきた頃、
「ところで結婚式はどうなったんですか」
「あー、それは」
私は一連の出来事を話す。
新郎がジュンだった事。
式はジュンの父親の計画だった事。
そしてジュンとナツキが結ばれた事。
「そんな事になっていたんですね。」
呆れていたと思ったら急に真剣になった。
「カズハ様」
「はい」
「俺は使いの立場としてカズハ様に接する事で自分の気持ちを
封じ込めていました。困らせるだけ、主だからと理由をつけて。
でも、もう我慢はしません。」
「う、うん?」
いまいち意図がわからない。
「カズハ様、これからは主ではなく、妻、として隣にいてくれませんか」
ロクは顔を真っ赤にしていった。
これ以上ない幸せ、でも一抹の不安が
「それは地位と名誉のため?」
「え?」
「ごめんなさい、あの時、実は立ち聞きしてて」
そう、あの時、私は聞き耳を立てていたのでそのことは知っている。
自分でも最低だと思っている。
「俺は正直、地位と名誉はどうでもいいんです。
でも、強いて言うならあなたの隣にいることが俺にとって最高の地位と名誉です」
「カズハさん、俺と結婚してくれますか」
キャパオーバーしそう
「・・・はい」
ロクは私を抱きしめて言った
「絶対にあなたを幸せにしてみせます」
抱きしめたと思ったらすぐに離れ
「覚悟しててくださいね」
そう言いロクはニヤッとして
「カズハ」
私の胸は高鳴る、自分で思っているより私はロクに溺れているらしい
「うん」
「ちなみにカズハって言ったの2回目なんだ」
「2回、やっぱりあの時」
「うん、実は言っていたんだ」
「やっぱり」
「その服、似合ってるよ、」
「あ、ありがとう」
照れる私にロクは顔を近づけ、耳元で
「綺麗だ、誰よりも」
と、囁いた。
咄嗟に耳を隠したが、意味ないだろう。
そんな私を見て、ロクはクスリと笑い
もう一度私を抱きしめる。
その後俺とカズハ、ジュンとナツキは入籍。
ミズキ様にはすごく祝福してもらった。
ジュンはリョウという相部屋の人に羨ましがられたらしい。カズハは遺産を一度は相続したもののこれからの生活の頭金だけ取り
他は施設などに寄付をし、余ったお金は
役所に提出した。
変わる日常の中にも変わらないものがある。
俺は変わらないものをこれからも大切にする。
「どうしたの、ロク」
俺の笑みにカズハは問いかける
「なんでもないよ、カズハ」
俺は不思議がるカズハの口にキスをする。