妖の街で出会ったのは狐の少年でした

15話 お泊まり会2

各、着替えを持ち移動する。
みんなワイワイ宿屋に入っていく中
「緊張するな」
「そうですか?」
「なんか、自分の親に彼氏を紹介するような感じ」
「なんです。その例えは?」
ロクが呆れていると先に中に入ってきたジュンの首が伸びてきた。
「入らないのか?」
「い、今行くよ」
そういう時ジュンの首は戻っていく。
「ジュンがろくろ首だって忘れてた。
ちょっとびっくりした。」
ドキドキする胸を押さえて宿屋に入る。
「ようこそお越しくださいました。
お客様」
ミズキさんが嘲笑した顔で言ってきた。
「茶化さないでください。ミズキさん」
「ごめん、ごめん。みんなもう大浴場に行ってる。」
ミズキさんに案内され、移動する。
必然的に私が下の子たちの面倒を見るんだろうな。
ロクと別れ、女湯の暖簾を潜る。
脱衣所で着物を綺麗にたたみ風呂敷に入れ包む。
ちなみにお泊まり会の前にミズキさんと買い物に出かけた。下着類、ブラウスも足らなかったのでちょうどよかった。
(ミズキさんが際どい下着を勧めてきたので謹んでお断りした。)
「カズハおねーちゃん、早く~」
チヨに呼ばれ大浴場に行き、
髪、身体を洗い、掛け湯をしてから入る
タオルをお湯につけないなど説明して
温泉に浸かる。
「カズハおねーちゃん、
外のお風呂行こ。ね?」
みんなに誘われ、露天風呂へ
外気が涼しく、お湯は少し熱めになっていた。頭を空っぽにして浸かりしばらく
「そろそろ出ようか」
私が声をかけるとみんな頷いたので脱衣所に戻り浴衣に着替える。
暖簾を潜ると男性陣はもう揃っていた。
「すみません。のんびりしすぎました」
ヨナガ先生に謝罪すると、私たちもさっき来たところだから気にしないでと言われた。ミズキさんに一声かけて外に出る。


学校に戻る時、ジュンがコソコソと言ってきた
「なぁロク、カズハ色っぽくね」
「・・・はぁ?」
いきなりなんだと思えば。
「いつもは髪結ってんのに、今は結ってねぇし。しかも風呂上がりで濡れてる
・・・ロクは、なんとも思わねぇの?」
少し引きそうになる。
「別になんとも思いませんよ。」
「つまらねぇな。使いって身の回りの世話をするんだろ?着付けとかもやるのか?ドキドキしないのか?体を触るんだぞ!」
ちょっとしつこいな
「あいにく、そんなドキドキなんてしませんよ。俺たちははそんな邪な関係ではないので」
「ふーん、」
「なんの話してるの?」
「「カズハ(様)!!」」
前の方を歩いていたカズハ様が目の前にいた。
「な、なんでもねぇよ」
ジュンの動揺が丸分かりだ

学校に戻り、和室で川の字で寝る。
俺とジュンが外側でカズハ様が真ん中になった。
横になり、しばらくすると寝息が聞こえる。
「ジュン、起きてます?」
「ああ、起きてる。カズハって注意力がないというかどこか抜けてるというか・・・」
「そうなんですよ。ちょくちょくこういうことがありまして。」
「なんか誘拐とかされても気づかなそう」
「やめてください。本当にありそうです」
「とりあえず寝るか」
「そうですね」

目が覚めるとカズハ様はすでにいつもの服装で布団を畳んでいた。
「おはよう、ロク」
「おはようございます」
俺も着替え、ふとんをたたみ、ジュンを
普通に起こそうとしたが起きなかったので叩き起こした。
朝食はヨナガ先生とツキナ校長先生が用意してくれたので、食べ終わったら片付け、授業をして解散になった。


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