妖の街で出会ったのは狐の少年でした

21話 労い

遊園地に行った次の日から約一週間、まともに休憩が取れないほど忙しい日々が続き、あっという間に23日。この街の冬休みは向こうの約一週間ほど長い。
春休みと夏休み、秋休みは一週間だ。    
長期の休みがある時はかなり忙しい。

やっと数分だが休憩に入ることができた。ナグモさんが風のようにやってきて
「カズハ、明日休みとっていいよ。
ミズキも休みを入れといたから」
それだけ言ってまた風のように去っていった。
「カズハ、接客お願い」
ミズキさんに言われすぐに動く。
「はい!」
明日はゆっくりできる。
それを糧に頑張ろう。
やっと深夜の人と交代になった。
部屋に戻り簪を外し、着物を着たまま寝てしまい気づいたら朝になっていた。

目が覚めると、ロクが正座していた。
よく見ると帯が軽く、緩められていた。
昨夜、私の部屋に来たら横になっていて寝苦しそうにしていて躊躇したが帯を緩めた、とのことだった。
「そうだったんだ。ありがとう」
「カズハ様、あなたの午後半日の時間を俺にくれませんか?」
「え、いいけど」
「ありがとうございます」
私が朝食をいただき、
終わるとお膳を下げそのまま部屋に来ることはなかった。

昨日ナグモ様から、水族館のチケットを頂いた。
2枚。
「使いたるもの、主を労ることも大事ですよ」
どこで手に入れたんだろう・・・
まぁいいか。水族館は午後からなので
午前中は

ロクは午後からと言っていたので午前中はのんびり散歩でもしようと思いとりあえずシャワーを浴び、制服に着替え外に出る。
そういえば真冬にも関わらず出会った
当初から服装はあまり変わらない。
寒くないのだろうか?ふとお店の前に売られているあるものに気づく。
それは・・・

宿に戻り、着物を脱ぎ制服に着替える。
ミズキさんと遊園地に行った時、やはり制服の方がいいかなと感じたからだ。
先程買ったものを急いでミズキさんと買い物に行った時に買ったバックに入れる。
少し早めの昼食をロクが持ってきた。
それをいただき、過ごし時間を置いてから、出発した。
「ねぇ、ロク。どこに行くの?」
「それはす・・着いてからのお楽しみです。」
列車に乗り、遊園地の時とは逆方向で
しばらく揺られていると、ロクが
「ここで降ります。」
というので降りて少し歩くと大きな建物がみえてきた。あれは・・・水族館?
ロクが係員にチケットを渡したので代金を渡そうとしたら断られた。
「大丈夫ですよ。チケットはナグモ様から頂いたものなので」
そうなんだ、ありがとうございます
ナグモさん、ロク
妖の街の水族館、どんな感じなんだろう。緊張しながらロクとゲートを潜る。








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