妖の街で出会ったのは狐の少年でした

33話 ダブルデート?

「ジュン、何してるんですか?」
ロクの声でオレは、先に行った3人を
追いかける。
「ねぇ、ロクとジュン、カズハは行きたいところとかない?」
「俺は特にないですが、強いて言えば
書店ですかね。」
「私は、雑貨とか見てみたいな」
「オレは体を動かすことができる所とかに行ってみてぇな」
「おー、見事にバラバラ」
そうナツキは言ってストラップで
地図を確認する。
ここに来た時に桃色の小さなストラップを渡された。ストラップには小さなボタンが付いていて、押すとセンターの地図と現在地が表示される。
「一番近いのが、雑貨かな?それから
2階の書店、それからぼーりんぐ?なんか運動のマークがついてるから体を動かせる場所だと思うけど。雑貨、書店、
ボーリングの順番でいい?」
「意義なし」
「オレもそれでいいよ」
「大丈夫ですよ」
オレたちは歩き出し雑貨店に向かう。
ー雑貨店ー
オレたちはバラバラになって店内を見る
「帽子とかも雑貨に含まれるんだなぁ」
「花粉対策に加湿器ですか。
これは嬉しいですね」
「なにこれ、乾燥した・・・果物?」
「あ、これいい香り。これにしよ」
20分ほど見て回ると自然と合流の流れになった。
ロクが少し大きめの箱を持っていた。
「ロク、それなんだ?」
「加湿器ですよ。花粉対策という文字で思わず・・・」
「もしかして、ロク花粉症?」
「侮るなかれ、花粉を甘く見てはいけませんよ。」
「目が痒くなって気づいたら充血してたり、大量のティッシュが必要になったり、花粉は敵」
「ナツキもかよ。カズハは?
どう花粉症」
「私は特に」
「「羨ましい/です」」
「カズハは何買ったの?」
「アロマオイル。お風呂入る時に使ったらリラックスできるかなって。」
カズハはアロマオイルの入った小さな箱をカバンにしまった

ー書店ー
「なぁカズハ、これとかどうだ?」
そう言ってジュンは私に本を見せてきた
なぜか裏向きで
「これ、参考書?」
私はパラパラ、ページをめくる。
「でも、なんで裏向きで・・・」
タイトルが目に入り聞くのをやめる
"バカでも分かる参考書"
「ありがたいけどやめとくよ」 
「そっか、じゃあ戻してくるよ」
ジュンには他意はないんだろうけどあのタイトルが癪に触る。
「お待たせしました。」
「あれ、ロクもう終わったの?」
「はい、ちょうど新刊の発売日が
今日だったので、それだけ」
「あれ、ナツキは?」
「会計が終わった時にすれ違ったのでそろそろ出てくると思いますよ。ほら」
ロクがそういうとナツキが手ぶらで
出てきた。
「何も買わなかったんですか?」
「え、うん。ちょっとね・・・」
ナツキの表情は何故か暗かった。
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