妖の街で出会ったのは狐の少年でした
53話 夏祭り
そろそろ夏休みに入る時期。
「仕事だからってのはわかってるけど日中ずっと着物はキツいな」
カズハたちは学校だから仕方ないが、休憩時間は暇なんだよな。
「ミズキ、お客様のご案内」
「はい」
先輩の声に気合を入れ直す。
それから数日後、夏休みに入ったカズハのおかげで少しだが仕事に余裕ができた。
休憩中
「なぁ、月末に夏祭りがあるんだか知ってるか?」
「はい」
「誰といくとか決まってるのか?」
「それって誘ってくれているんですか?」
「いや、ただ気になったから聞いただけ」
「ロクとジュン、あとチヨとスイウという子達と行くことになっているんです」
「そっか、楽しんでこいよ」
「はい、ありがとうございます」
それからまた仕事に戻った。
その日の夜
「カズハ、夏祭りはなに着ていく?」
「浴衣着たいんですけど買いに行く暇が・・・」
「アタシの浴衣貸そうか?」
「いいんですか?でも当日忙しいんじゃ」
「アタシは行かないから気にしないで。」
「・・・ならお願いします」
「当日、前に貸した腰紐とか持ってきくれ」
「はい。ありがとうございます」
それから2週間後。
「よし、できた」
貸した浴衣は真紅の赤地に白の椿が描かれている。
「気をつけていってきな」
「はい、ありがとうございました」
カズハは浮き足で出ていった。
それからI時間ほど時間を潰し
「さてと」
小さな手提げにお財布、タオル、虫除けスプレー、
小物入れからブレスレットを取り出した。
「あれから今日でちょうど一年か」
学校を卒業してことごとく就職活動で落ちたアタシ
路頭に迷ったアタシを拾ってくれたのがナグモさんだった。そこで彼と出会った。
粉雪少年リオ
「はじめまして。未熟者ですが精一杯使いを
務めさせていただきます」
見た目は年下という感じだった。
「リオはアタシのことなんて呼ぶように言われてるとかある?」
「えっ、ミズキ様と呼ぶようにと・・・」
「アタシ、そういうの嫌いなんだ。普通にミズキ
って呼んでよ」
「ですが」
「主のいうことは?」
「・・・はい、ミズキ」
「それでよし。それから2人の時は敬語も外して」
「は、うん」
新米同士だったアタシたちは他の先輩方やナグモ
さんにサポートされることが多々あった。
叱れることもあった。自分がどれほど世間知らず
か悔しくて、柄にもなく泣いてしまった。
リオは最初は焦っていたが、何も言わずに隣にいてくれた。
落ち着くと
「大丈夫、努力しているのを僕はよく知ってる。
だから自信もって。自信なくなったら言ってよ。長所も短所もひっくるめて魅力でしょ?僕が数えられないほど魅力を言ってあげる。ミズキ」
屈託のない笑顔で言ってくれた
「ありがと、リオ」
それからしばらくして失敗も少なくなり
気がついたら夏になっていた。
「あのさ、ミズキ。今度夏祭り行かない?」
「いいよ。その日はちょうど休みだし」
そして夏祭り当日。
「浴衣かと思った。」
「仕事中ずっと着物だからね。
たまには私服もいいでしょ?」
「そういうと思ってたよ。」
沢山の屋台から射的を見つけた。
「なにか見つけた?」
「あれ」
紫の組紐のブレスレットだった。
「僕にとらせてよ」
「いいの?」
「まかせて」
数分後
「カッコよく言ったのになかなかとれなかった」
「でも、ありがと」
リオは苦戦したもののブレスレットをとってくれた
それから
「足元、気をつけて」
「わかってるよ」
人気のないところで見た花火はすごく鮮やかで綺麗だった。
「来年も一緒に見ようよ」
「もちろん」
「仕事だからってのはわかってるけど日中ずっと着物はキツいな」
カズハたちは学校だから仕方ないが、休憩時間は暇なんだよな。
「ミズキ、お客様のご案内」
「はい」
先輩の声に気合を入れ直す。
それから数日後、夏休みに入ったカズハのおかげで少しだが仕事に余裕ができた。
休憩中
「なぁ、月末に夏祭りがあるんだか知ってるか?」
「はい」
「誰といくとか決まってるのか?」
「それって誘ってくれているんですか?」
「いや、ただ気になったから聞いただけ」
「ロクとジュン、あとチヨとスイウという子達と行くことになっているんです」
「そっか、楽しんでこいよ」
「はい、ありがとうございます」
それからまた仕事に戻った。
その日の夜
「カズハ、夏祭りはなに着ていく?」
「浴衣着たいんですけど買いに行く暇が・・・」
「アタシの浴衣貸そうか?」
「いいんですか?でも当日忙しいんじゃ」
「アタシは行かないから気にしないで。」
「・・・ならお願いします」
「当日、前に貸した腰紐とか持ってきくれ」
「はい。ありがとうございます」
それから2週間後。
「よし、できた」
貸した浴衣は真紅の赤地に白の椿が描かれている。
「気をつけていってきな」
「はい、ありがとうございました」
カズハは浮き足で出ていった。
それからI時間ほど時間を潰し
「さてと」
小さな手提げにお財布、タオル、虫除けスプレー、
小物入れからブレスレットを取り出した。
「あれから今日でちょうど一年か」
学校を卒業してことごとく就職活動で落ちたアタシ
路頭に迷ったアタシを拾ってくれたのがナグモさんだった。そこで彼と出会った。
粉雪少年リオ
「はじめまして。未熟者ですが精一杯使いを
務めさせていただきます」
見た目は年下という感じだった。
「リオはアタシのことなんて呼ぶように言われてるとかある?」
「えっ、ミズキ様と呼ぶようにと・・・」
「アタシ、そういうの嫌いなんだ。普通にミズキ
って呼んでよ」
「ですが」
「主のいうことは?」
「・・・はい、ミズキ」
「それでよし。それから2人の時は敬語も外して」
「は、うん」
新米同士だったアタシたちは他の先輩方やナグモ
さんにサポートされることが多々あった。
叱れることもあった。自分がどれほど世間知らず
か悔しくて、柄にもなく泣いてしまった。
リオは最初は焦っていたが、何も言わずに隣にいてくれた。
落ち着くと
「大丈夫、努力しているのを僕はよく知ってる。
だから自信もって。自信なくなったら言ってよ。長所も短所もひっくるめて魅力でしょ?僕が数えられないほど魅力を言ってあげる。ミズキ」
屈託のない笑顔で言ってくれた
「ありがと、リオ」
それからしばらくして失敗も少なくなり
気がついたら夏になっていた。
「あのさ、ミズキ。今度夏祭り行かない?」
「いいよ。その日はちょうど休みだし」
そして夏祭り当日。
「浴衣かと思った。」
「仕事中ずっと着物だからね。
たまには私服もいいでしょ?」
「そういうと思ってたよ。」
沢山の屋台から射的を見つけた。
「なにか見つけた?」
「あれ」
紫の組紐のブレスレットだった。
「僕にとらせてよ」
「いいの?」
「まかせて」
数分後
「カッコよく言ったのになかなかとれなかった」
「でも、ありがと」
リオは苦戦したもののブレスレットをとってくれた
それから
「足元、気をつけて」
「わかってるよ」
人気のないところで見た花火はすごく鮮やかで綺麗だった。
「来年も一緒に見ようよ」
「もちろん」