妖の街で出会ったのは狐の少年でした
54話 中身
それから、翌年も同じ場所で花火を見た。
去年はアタシより身長が低かったのにあの後すぐに越されてしまった。
今年も去年もらったブレスレットをつけている。
仕事中は出来ないので、どうせなら夏祭りだけに
つけようと考えた。
帰り道の途中
「ミズキ、これあげる」
鍵穴のついた小箱だった
「あげるって言ったって、これ」
「来年の今日、開けるからそれまで楽しみに持っててよ」
「分かった」
約束だよ
ーその約束は果たされなかったー
それからしばらくたってアタシはリオにお使いを
頼んだ。といっても日用品だが。アタシは仕事で、後日でもよかったんだが早い方がいいとリオが言ったのでお願いした。
でもこの選択が
"まちがっていた"
「リオ、遅いな。なんかあったのか」
少し休憩していると大慌てで先輩が来た
「ミズキ、大変!リオくんが」
「・・・え、」
着物のまま、伝達も忘れ走っていた。
「はっ、はっ、っ・・・」
リオ、リオ!
ーリオくんが事故にあってー
現場に向かって近くにいた人に半狂乱になりながらも、運ばれた病院を聞き出し向かった。
そして先生からたった一言告げられた
ー手は尽くしましたが、○○時○○分ご臨終ですー
その後はどうしたのか有耶無耶で覚えていなかった
次の日、病院から手紙が届いた。それと鍵が同封されていた。
「これって」
そこにはリオが病院に運ばれた直後にミズキという方に渡して欲しいと震える声で渡したということと、彼の死因が書かれていた。
その数日後、お葬式が行われたが行かなかった。
行ったら彼の死を認めることになってしまう。
「前を向かないといけないのはわかってるのに」
それからカズハと出会った。カズハの前では頼れる先輩でいようと明るく振る舞った。でもどこかで
カズハの使いとリオは気があったのかななんて考えてしまう。新しい使いが就いたがどうもリオと比べてしまう。鍵を受け取ったあの日ほんとは開けてしまおうかと思ったが、待った。
リオに文句言われそうで。
そしてあっという間にあの日から1年が
経っていた。
私服で去年と同じ場所で花火を見る。
なんだか霞かかったようにぼやけて見える。
「リオがいたらもう少し綺麗にみえたのかな」
1人寂しく帰路につき部屋に戻る。
お風呂に入りあとは寝るだけの状態にしてから
引き出しから箱を取り出し小物入れから鍵をとる。
開く音さえ虚しく感じた。
「これっ、て」
指輪だった。
その箱には指輪と共に封筒も入っていた。
僕はあなたのことが好きです。
誰よりもあなたを幸せにしたい。
たった3年だけど、この決意は変わらない。
僕と結婚を前提に付き合ってください。
明日の夜、花火を見た場所に来てくれますか。
そこで返事を聞かせて欲しい
リオ
「返事って、もう・・・できない、じゃん」
嗚咽混じりの声で彼に届かない反論をする。
3年、学校を卒業してから3年経つと結婚できるの
がこの世界の法律。
「だから、1年か」
「そんなの、一択に決まってる。」
次の日の夜アタシは昨夜花火を見た場所に来た。
「リオ、指輪も手紙も嬉しいよ。
実際に会って返事できたらよかったのにね」
冗談混じりに声に出す。
「リオ、結婚前提じゃなくてさ」
一息ついて
「アタシをあなたのお嫁さんにさせてください」
"ありがとう"
そう聞こえた気がした。
リオのお嫁さんってだけでアタシ今すごく幸せだ
去年はアタシより身長が低かったのにあの後すぐに越されてしまった。
今年も去年もらったブレスレットをつけている。
仕事中は出来ないので、どうせなら夏祭りだけに
つけようと考えた。
帰り道の途中
「ミズキ、これあげる」
鍵穴のついた小箱だった
「あげるって言ったって、これ」
「来年の今日、開けるからそれまで楽しみに持っててよ」
「分かった」
約束だよ
ーその約束は果たされなかったー
それからしばらくたってアタシはリオにお使いを
頼んだ。といっても日用品だが。アタシは仕事で、後日でもよかったんだが早い方がいいとリオが言ったのでお願いした。
でもこの選択が
"まちがっていた"
「リオ、遅いな。なんかあったのか」
少し休憩していると大慌てで先輩が来た
「ミズキ、大変!リオくんが」
「・・・え、」
着物のまま、伝達も忘れ走っていた。
「はっ、はっ、っ・・・」
リオ、リオ!
ーリオくんが事故にあってー
現場に向かって近くにいた人に半狂乱になりながらも、運ばれた病院を聞き出し向かった。
そして先生からたった一言告げられた
ー手は尽くしましたが、○○時○○分ご臨終ですー
その後はどうしたのか有耶無耶で覚えていなかった
次の日、病院から手紙が届いた。それと鍵が同封されていた。
「これって」
そこにはリオが病院に運ばれた直後にミズキという方に渡して欲しいと震える声で渡したということと、彼の死因が書かれていた。
その数日後、お葬式が行われたが行かなかった。
行ったら彼の死を認めることになってしまう。
「前を向かないといけないのはわかってるのに」
それからカズハと出会った。カズハの前では頼れる先輩でいようと明るく振る舞った。でもどこかで
カズハの使いとリオは気があったのかななんて考えてしまう。新しい使いが就いたがどうもリオと比べてしまう。鍵を受け取ったあの日ほんとは開けてしまおうかと思ったが、待った。
リオに文句言われそうで。
そしてあっという間にあの日から1年が
経っていた。
私服で去年と同じ場所で花火を見る。
なんだか霞かかったようにぼやけて見える。
「リオがいたらもう少し綺麗にみえたのかな」
1人寂しく帰路につき部屋に戻る。
お風呂に入りあとは寝るだけの状態にしてから
引き出しから箱を取り出し小物入れから鍵をとる。
開く音さえ虚しく感じた。
「これっ、て」
指輪だった。
その箱には指輪と共に封筒も入っていた。
僕はあなたのことが好きです。
誰よりもあなたを幸せにしたい。
たった3年だけど、この決意は変わらない。
僕と結婚を前提に付き合ってください。
明日の夜、花火を見た場所に来てくれますか。
そこで返事を聞かせて欲しい
リオ
「返事って、もう・・・できない、じゃん」
嗚咽混じりの声で彼に届かない反論をする。
3年、学校を卒業してから3年経つと結婚できるの
がこの世界の法律。
「だから、1年か」
「そんなの、一択に決まってる。」
次の日の夜アタシは昨夜花火を見た場所に来た。
「リオ、指輪も手紙も嬉しいよ。
実際に会って返事できたらよかったのにね」
冗談混じりに声に出す。
「リオ、結婚前提じゃなくてさ」
一息ついて
「アタシをあなたのお嫁さんにさせてください」
"ありがとう"
そう聞こえた気がした。
リオのお嫁さんってだけでアタシ今すごく幸せだ