妖の街で出会ったのは狐の少年でした
7話 恐怖
「ねぇロク?私のせい・・・制服!昨日着物の前に着てた服、知らない?」
着付けをしてくれているロクに聞く。「すみません。俺はわからないです。
カズハ様が部屋を出て行った時、箪笥にしまったんですが、そのあとは」
リボンだけならまだしもブレザーやスカートなど一式ないのだ。不思議というか少し怖い。
「終わりましたよ。」
「ありがとう。」
昨日の他にまだ覚えなくてはいせないことが沢山ある。頑張らなければ。
それからはミズキさんに色々教わる日々を過ごした。私もだんだんスムーズに動けるようになってきた。
「今日は一人でお客様の接待や給仕、してみる?」
「はい。精一杯頑張ります」
今、思えばこの判断が間違っていたのだろう。
1人の若い男性のお客様のようだ。
「ようこそ、おいでくださいました。
お荷物お持ちします。」
「お食事は○○時になっております。
こちらのお部屋にお持ちしますのでそれまでどうぞおくつろぎ下さい。」
ここまではよかった。
「ねぇ君、人間?」
「?はい、私は人間で妖ではございません」
「ねぇ、俺今鬱憤が溜まってるんだよ。それを晴らすのも給仕じゃない?」
一瞬もしないうちに、私は押し倒され
ていた。お客様は馬乗り状態だった。
片手で両腕の動きを封じられていた。
「お客様、何をなさっているのです?」
乾いた声で聞く。脳が警鐘を鳴らしているが、動けない。怖くて涙が溢れる。帯が解かれ、襦袢が露わになる。嫌だ、
助けて、ロク・・・
勢いよく襖が音を立てて、開く。
「なにを、なさっているのです?お客様」
「ロク、ミズキさん」
離れた男性と私の間にロクが割って入る。私はミズキさんに支えられながら部屋を出る。
「ごめんなさい。アタシが1人でやってみるなんて聞くから」
「いえ、ミズキさんのせいじゃ、私に危機感がなかったから・・・」
ナグモさんが現れ、頭に手を置く。
「カズハ、貴女、今日はもう上がりなさい。」
「ナグモさん」
「ここからは、経営者である私の仕事だ」
部屋に戻ると制服一式がちらばっていた
片付け、着物を脱いでいたらノックされた。
「カズハ様、ロクです」
「・・・入って」
「ロク、あの人は?」
「あの人は出禁になりました。この街は、合意なしに女性に手を出そうとすると追放されるんです。二度とこの街には来れません。」
「そう、なんだ。」
「・・・俺は、怖くないんですか?」
「え?」
「いえ、なんでもありません。忘れてください。」
「私は、私なりにあなたのこと信頼しているよ。」
「そうですか。」
「では、俺はこれで失礼します。」
立ち上がるロクに私は
袖を掴み引き留める
「もう少しだけ、そばにいて」
カズハ様は俺を引き留める。
弱々しい声で。
俺は座り直し、尻尾をカズハ様の方に寄せる。
カズハ様から溢れる涙を俺は見ない
フリをした。
着付けをしてくれているロクに聞く。「すみません。俺はわからないです。
カズハ様が部屋を出て行った時、箪笥にしまったんですが、そのあとは」
リボンだけならまだしもブレザーやスカートなど一式ないのだ。不思議というか少し怖い。
「終わりましたよ。」
「ありがとう。」
昨日の他にまだ覚えなくてはいせないことが沢山ある。頑張らなければ。
それからはミズキさんに色々教わる日々を過ごした。私もだんだんスムーズに動けるようになってきた。
「今日は一人でお客様の接待や給仕、してみる?」
「はい。精一杯頑張ります」
今、思えばこの判断が間違っていたのだろう。
1人の若い男性のお客様のようだ。
「ようこそ、おいでくださいました。
お荷物お持ちします。」
「お食事は○○時になっております。
こちらのお部屋にお持ちしますのでそれまでどうぞおくつろぎ下さい。」
ここまではよかった。
「ねぇ君、人間?」
「?はい、私は人間で妖ではございません」
「ねぇ、俺今鬱憤が溜まってるんだよ。それを晴らすのも給仕じゃない?」
一瞬もしないうちに、私は押し倒され
ていた。お客様は馬乗り状態だった。
片手で両腕の動きを封じられていた。
「お客様、何をなさっているのです?」
乾いた声で聞く。脳が警鐘を鳴らしているが、動けない。怖くて涙が溢れる。帯が解かれ、襦袢が露わになる。嫌だ、
助けて、ロク・・・
勢いよく襖が音を立てて、開く。
「なにを、なさっているのです?お客様」
「ロク、ミズキさん」
離れた男性と私の間にロクが割って入る。私はミズキさんに支えられながら部屋を出る。
「ごめんなさい。アタシが1人でやってみるなんて聞くから」
「いえ、ミズキさんのせいじゃ、私に危機感がなかったから・・・」
ナグモさんが現れ、頭に手を置く。
「カズハ、貴女、今日はもう上がりなさい。」
「ナグモさん」
「ここからは、経営者である私の仕事だ」
部屋に戻ると制服一式がちらばっていた
片付け、着物を脱いでいたらノックされた。
「カズハ様、ロクです」
「・・・入って」
「ロク、あの人は?」
「あの人は出禁になりました。この街は、合意なしに女性に手を出そうとすると追放されるんです。二度とこの街には来れません。」
「そう、なんだ。」
「・・・俺は、怖くないんですか?」
「え?」
「いえ、なんでもありません。忘れてください。」
「私は、私なりにあなたのこと信頼しているよ。」
「そうですか。」
「では、俺はこれで失礼します。」
立ち上がるロクに私は
袖を掴み引き留める
「もう少しだけ、そばにいて」
カズハ様は俺を引き留める。
弱々しい声で。
俺は座り直し、尻尾をカズハ様の方に寄せる。
カズハ様から溢れる涙を俺は見ない
フリをした。