妖の街で出会ったのは狐の少年でした
71話 迫る危機
あの人たちが来てから数日後。
俺はヨナガ先生に用があり教員員室に向かっている。
「失礼します。ヨナガ先生いますか?」
中に入ると校長先生はいたがヨナガ先生は
いなかった。
「どうしましたか?ロクくん。あれ、
一度帰ったよね。あいにくヨナガ先生は不在なんだ、ごめんね」
申し訳なさそうに言ったが、
「用があるなら戻ってきた時伝えるけど」
「いえ、大丈夫です。失礼しました。」
そう言い、俺は教員室を出る。
(ナツキのことと聞きたかったんだけど)
そんなことを考え、歩いていると路地裏から出てきた人にぶつかってしまった
「あ、すみませ」
言いかけて、相手を見て固まった。
「ヨナガ先生!」
「こちらこそすみません。あ、
ちょうど良いところに少し聞いて欲しいことがありまして、いいですか?」
俺たちは宿へ移動した。
部屋に通し、
「何かあったんですか?」
「多少の察しがついてると思いますけど」
「もしかしてナツキのことですか?」
思い切って聞いたが何も言わないので違うんだろう。思い当たる節はこれぐらいしか思いつかない。これじゃないとしたら
多分。
「カズハ様」
座り込んでいたヨナガ先生は首を縦に振った。
「お願いします。教えてください」
ヨナガ先生は真剣になり
「裏社会でのカズハさんの噂のは知ってますか?」
「それって・・・」
「最高の地位と名誉」
「やっぱり」
先生は緊迫した声で
「だけじゃないんです。」
「え?」
「財産。花道家元のご夫妻には一人娘がいたんですが嫁いで行きました。その後夫妻が亡くなり遺言には遺産については娘宛ではなくなぜか血族の者と書かれていました。」
「血族?」
「簡単に言うと、父母、祖父母、兄弟、子
など血のつながりがある者のことです。」
ルイさんの家族構成は不明だが、カズハ様がこっちにくることができた。それはやり方 を知っていたから。やり方は初子のみ伝えられるんだよな。ってことは
「調べたところカズハさんが遺産の相続者
なんです。」
遺産の・・・、あれ、確か
「あの遺産って確か本人ってだけで
配偶者はなんの権利もないですよね」
「ええ、ですがそれは本人が生きている
場合です。」
「え?」
生きている場合?
「仮にカズハさんが誰かと祝限を挙げ遺産を相続するとします。ですが、カズハさんが なんらかの理由で亡くなり、なおかつ遺言がなかった場合、遺産は配偶者、つまりカズハ様の旦那様が遺産を相続するのが法律
なんです。」
カズハ様が変な男に引っかからないか心配だ
「1人でそこまで短期間で調べられるなんて
先生、本当は何者なんですか?」
「教師ですよ。でもただの教師じゃない
ですが」
「ただの?」
「教師兼警察官」
やっぱりただの教師じゃなかったのか、
「さて、これから大変ですよ。」
先生は少し笑って言ったが
「でしょうね」
俺の返しに呆れた。
「わかってますか?」
「もちろん。悪いムシから主を護ります」
「もう少し言い方を、まぁそうですが。」
「あの、俺が聞きたかったこと聞いても良いですか?」
「どうぞ」
「ナツキを売った人って
どうなったんですか?」
「それは子供には言えませんね」
俺の問いは躱された。
「子供には言えないことって・・・」
あの日ナツキさんを街に連れていってから、俺は仲間のところに向かった。
奴はすでに捕まって、縄で縛られていた。
「別に金を返してもらおうなんて思ってねえから安心しろ。ただ」
俺は屈み奴に目線を合わせる
「俺の生徒に手を出したんだ。
それなりの覚悟があってやったんだろう」
計り知れない殺気を感じたのか奴はすごい
勢いで首を横に振る。
「なぁ、一発だけいいだろ?」
「どうせ止めたって聞かないだろ」
ため息をつきながらいう仲間に苦笑し
「わかってるじゃん」
俺は奴に向き直る
俺はヨナガ先生に用があり教員員室に向かっている。
「失礼します。ヨナガ先生いますか?」
中に入ると校長先生はいたがヨナガ先生は
いなかった。
「どうしましたか?ロクくん。あれ、
一度帰ったよね。あいにくヨナガ先生は不在なんだ、ごめんね」
申し訳なさそうに言ったが、
「用があるなら戻ってきた時伝えるけど」
「いえ、大丈夫です。失礼しました。」
そう言い、俺は教員室を出る。
(ナツキのことと聞きたかったんだけど)
そんなことを考え、歩いていると路地裏から出てきた人にぶつかってしまった
「あ、すみませ」
言いかけて、相手を見て固まった。
「ヨナガ先生!」
「こちらこそすみません。あ、
ちょうど良いところに少し聞いて欲しいことがありまして、いいですか?」
俺たちは宿へ移動した。
部屋に通し、
「何かあったんですか?」
「多少の察しがついてると思いますけど」
「もしかしてナツキのことですか?」
思い切って聞いたが何も言わないので違うんだろう。思い当たる節はこれぐらいしか思いつかない。これじゃないとしたら
多分。
「カズハ様」
座り込んでいたヨナガ先生は首を縦に振った。
「お願いします。教えてください」
ヨナガ先生は真剣になり
「裏社会でのカズハさんの噂のは知ってますか?」
「それって・・・」
「最高の地位と名誉」
「やっぱり」
先生は緊迫した声で
「だけじゃないんです。」
「え?」
「財産。花道家元のご夫妻には一人娘がいたんですが嫁いで行きました。その後夫妻が亡くなり遺言には遺産については娘宛ではなくなぜか血族の者と書かれていました。」
「血族?」
「簡単に言うと、父母、祖父母、兄弟、子
など血のつながりがある者のことです。」
ルイさんの家族構成は不明だが、カズハ様がこっちにくることができた。それはやり方 を知っていたから。やり方は初子のみ伝えられるんだよな。ってことは
「調べたところカズハさんが遺産の相続者
なんです。」
遺産の・・・、あれ、確か
「あの遺産って確か本人ってだけで
配偶者はなんの権利もないですよね」
「ええ、ですがそれは本人が生きている
場合です。」
「え?」
生きている場合?
「仮にカズハさんが誰かと祝限を挙げ遺産を相続するとします。ですが、カズハさんが なんらかの理由で亡くなり、なおかつ遺言がなかった場合、遺産は配偶者、つまりカズハ様の旦那様が遺産を相続するのが法律
なんです。」
カズハ様が変な男に引っかからないか心配だ
「1人でそこまで短期間で調べられるなんて
先生、本当は何者なんですか?」
「教師ですよ。でもただの教師じゃない
ですが」
「ただの?」
「教師兼警察官」
やっぱりただの教師じゃなかったのか、
「さて、これから大変ですよ。」
先生は少し笑って言ったが
「でしょうね」
俺の返しに呆れた。
「わかってますか?」
「もちろん。悪いムシから主を護ります」
「もう少し言い方を、まぁそうですが。」
「あの、俺が聞きたかったこと聞いても良いですか?」
「どうぞ」
「ナツキを売った人って
どうなったんですか?」
「それは子供には言えませんね」
俺の問いは躱された。
「子供には言えないことって・・・」
あの日ナツキさんを街に連れていってから、俺は仲間のところに向かった。
奴はすでに捕まって、縄で縛られていた。
「別に金を返してもらおうなんて思ってねえから安心しろ。ただ」
俺は屈み奴に目線を合わせる
「俺の生徒に手を出したんだ。
それなりの覚悟があってやったんだろう」
計り知れない殺気を感じたのか奴はすごい
勢いで首を横に振る。
「なぁ、一発だけいいだろ?」
「どうせ止めたって聞かないだろ」
ため息をつきながらいう仲間に苦笑し
「わかってるじゃん」
俺は奴に向き直る