火の力を持つ国王様は愛も熱い
「おはようー!朝ですよ!二人とも起きなさーい!」
「…ンzzz」
モニカお姉さんの声で目が覚める。
こんなぐっすり眠ったのは初めてかもしれない。
目が覚めると、エドが私の事をギュッと抱き締めて眠っていた。
昨日の夜手が熱かったけど、抱き着かれている感じでは体温も普通に戻っている。
「やだ、氷枕が床に落ちてる……エドワード王子、昨日使わなくても大丈夫でしたか?」
「Zzz」
「モニカお姉さん、エドまだ寝てるよぉ」
「え?エドワード王子、起きてください!お熱計りますよ」
「ン〜…」
「こんなぐっすり寝てるなんて珍しいですね?いつもは来る前に起きてるのに…ん?あれ?」
モニカお姉さんはエドを引っ張ってベッドから出しながらおでこに手を当てると不思議そうな顔をしていた。
「お薬飲まない日なのに熱がない…」
「むにゃ……Zzz…エマ、モニカおはよう」
「おはよー」
「エドワード王子、おはようございます」
「すごく良く眠れた!体調いいぞ!」
「そうみたいですね…どうしてかしら?そうだ、エマちゃんの体温計らせてもらってもいいかな?」
「いいよー?」
モニカお姉さんに言われるがままする。
「……エマちゃん、体温低いのね。それでかしら?うーん」
「モニカ、お腹空いたー!」
「はいはい、二人ともお着替えしましょうね」
私はまたモニカお姉さんが用意してくれた可愛いお洋服を着せてもらって、美味しい朝食を食べさせてもらった。
そして……
私はお城で住み込みでエドワード王子の遊び相手と子供でも出来るお城の雑務のお仕事をすることになった。
この頃はどうしてそうなったのかとかはわからなかったけれど、朝一番におばさん達がお城に連れて来られた時におばさん達は私を家に戻す事を強く希望したようだったけれど、お城で住む込みで働いたお給料がおばさん達に支払われると知るとあっさり了承したらしい。
そうして私はお城で働く事となった。