火の力を持つ国王様は愛も熱い
「エドワード王様!じいちゃんが…あっ!祖父が目を覚ましました!」
部屋へ入ると、アル君が嬉しそうに駆け寄ってきてアル君のおじいさんのワイアットさんは急いで起き上がろうとしていた。
「ワイアットさん、そのままで」
エドは直ぐにワイアットさんのベッドの横へ駆け寄り、ワイアットさんの手を握った。
「こ…国王陛下……よくご無事で……国王陛下のお命を危険に晒してしまい……申し訳ございません…」
ワイアットさんは火事で肺も負傷したようで声を出すのも大変なのに、そう言って涙を流した。
「俺は事よりご自身の事大事にされて下さい…ご無事で良かった…謝らなければならないのはこちらの方だ。危険に晒してしまい申し訳なかった」
ワイアットさんはエドの手を握り、しばらく涙を流していた。
もっと早くに私に水の力があると分かっていたらワイアットさんをもっと早く助け出せたかもしれないし…ヴァルだって死なずに済んだのにと思うと胸が苦しくなる。