火の力を持つ国王様は愛も熱い
思春期
お城での使用人としての生活はすごく楽しかった。
小さい頃はエドとエドの弟のローレンス王子と遊ぶ事と小さい子供でも出来るようなお手伝いをして一生懸命働いた。
ぶたれる事も寒い中で外に追い出される事もなくて、みんな優しくて温かかった。
そして、モニカお姉さんに怒られてもエドが毎晩の様に私のベッドに来てくれるのも嬉しかった。
エドは強引な所もあるけど、優しくて心地良くて…私は小さい頃からエドの事が大好きだった。
しかし、時が経つにつれて状況は変化していった。
エドが12歳、私が10歳のある日。
私は学校にも通わせてもらっていて、この日はお城のお仕事はお休みの日で学校の帰りにクラスの仲の良いお友達5人で近くの小さな山で遊んでいた。
「エマちゃん、エドワード王子様とお話出来て良いなぁ」
「ねー!この前のエドワード王子様の初めての追火式も素敵だったね」
追火式とは聖火の火を絶やさない為に毎週日曜日に城下町にある聖火に王族が火の力を使って火を継ぎ足す式の事。
火はうちの国では王族の火の力以外で発生させる事が出来ない。
国民は聖火の火を使って生活をしているのでとても大事な式だ。
エドは先週初めてその式で火の力を使った。
前日はすごく緊張していたけど、式の時は堂々としていて本当に格好良かった。