火の力を持つ国王様は愛も熱い
エドは水の力だからとか関係なく愛情表現で毎日たくさんキスをしてくれていて、隙があればキスをするのが習慣になっていた。
たくさんキスしてくれるのは嬉しいけど、普通の恋人同士って毎日こんなにたくさんキスするものなのかな?
「あー…そうだった。この我慢が一番の苦行だが、後世の為にも我慢しないとな…」
文献によれば水の力を持つ私と最後まで交じあったあとは完全に薬は必要なくなると記載はある。
現にキスで症状を抑える効果がある事は分かっているからきっとそうなると思う。
エドに薬の必要がなくなったとしても、王族が火の力を持って生まれてくるからにはエドと同じ様に強い力を持つ子がまた現れる可能性はある。
その時の為に薬は昔から受け継がれている。
「エマさんっ!」
「はい、どうかされましたか?」
リリィ姫様に呼ばれて急いでエドと離れて陰から顔を出す。
「これから街に注文していた学校の授業で使う文具取りに行くのにアルが着いてくるって聞かないの!エマさんも一緒に来て下さらない?」
「エマはエドワード王様と一緒にいないといけないから暇じゃないんだよ!2人で行こうよ」
「それが嫌だから頼んでるんでしょ!もうなんでこんな時に限ってローレンス様は火の訓練なのよー」
ほとんど王族やその関係の生徒ばかりの学校だから至れり尽くせりなのかと思いきや、学校の教育方針で生徒は使用人は頼らない事が多い。
「エマ、リリィ姫に付き合ってやれ。たまには街に行って気晴らししてくるといい」
「本当ですか?ちょうど行ってみたいお店あったんですっ」
「あぁ、夕食までには戻れよ」
「ありがとうございます、それでは失礼致します」
私はリリィ姫様とアル君と共に街へと行く事になった。