火の力を持つ国王様は愛も熱い
「ヒグッ……」
「いちいち泣いてんじゃないよ!お前はここでうちの跡継ぎを産んでここで生涯を終えるんだからね!ずっと好き勝手やってたんだからそのくらい返してもらわないと」
「…え………跡継ぎ……?」
「全く!ダズの事甘やかし過ぎてワガママに育っちまったもんだから誰も嫁に来てくれやしないんだよ!ダズがお前で良いって言うからわざわざ手を焼いてやったんだ」
「ママ~?エマ起きた?」
ダズの声と共に天井から光が差し込んできた。
何処が入口なのかはわからないけど、家の床の何処かにここへの入口があるみたいだ。
「あぁ、起きたけどすぐ手を出すんじゃないよ?威勢が良いとお前手加減しないで使い物にならなくするだろ。いい加減子供作る前にそう壊すと次の調達が困るんだよ」
おば様はそう言いながらダズの声のする方へ行って天井に向い、ハシゴを掛けて地下牢から出ていってしまった。
真っ暗の中1人にさせられてしまう。
ここから脱出出来るのかな…
エド……うぅ……エドに会いたい…
このまま出られなかったら一生エドに会えない…それにダズとの子供を作らされてしまう。
どうにかしてここから出なくちゃ…
今が昼間なのか夜なのかもわからない。
さっき昨晩って言ってたから、昨日気を失ってからだいぶ時間過ぎてしまっている。
ここに連れてこられるのに乱暴に扱われたのかあちこち打撲や捻挫をしていて、体中が痛い…
真っ暗の中。
動ける範囲を確認したり、どうにか脱出出来ないか試行錯誤するけど解決の糸口が見つからない…
どうしよう…ダズが来たらおしまいだ…
そうこうしているうちにあっという間にその時が来てしまう。
ガタガタっ
「エマ、やっとママが寝たから来たぞ」
上からハシゴが掛けられタズが降りてくる。
「嫌ぁ……」
「何嫌がってんの?」
ダズはランプを置いて私の近くに来ると私の服を掴んで持ち上げ、繋がっているベッドの上に乱暴に下ろすと馬乗りになる。
「こんな湿った服着たままかよ?脱いで準備しておけよな」
そう言うとダズは手で私の服を下着もろとも引き裂いた。
「ひぁッ……お願いします……ふぅッ……止めてください…」
「うおぉ…流石国王のお気に入りだけあって美味そうな身体してんな……こんな身近なところでこんな良い女調達出来るならもっと早く連れてくればよかった」
ダズのニヤニヤした顔がランプの光でよく見えて震えが止まらない。
ダズは力強く私の胸を鷲掴みにする。
「痛ッ……嫌ッ」
痛くて咄嗟に身体をよじると上手くベッドから落ちて、無駄なのはわかっているのに私は床を這って逃げようとした。
エドが私に触れる感覚を消されなくないっ…
「この女!人が優しくしてやったら付け上がりやがって!そうだ!ヤる前に足の指指を切り落として一生歩けないようにしてやろう!」
「いやぁっ!ごめんなさいっ!お願いします!止めてください!」
ダズに足を掴まれて引っ張られると、ダズは腰の辺りからナイフを取り出した。
この人……本気で足の指切り落とすつもりだ…
ナイフが私の足の指に押し当てられる。
指を落とされる恐怖で、私の頭の中でプツンッと何かのタガが外れた様な……その瞬間に私は我を失ってダズを蹴飛ばして叫んでいた。
「嫌………嫌あああああああっ!!」
意識はそこで途切れる……