火の力を持つ国王様は愛も熱い
「女子達騒ぎ過ぎだよ、エマは使用人なんだから王子とそんなに話すことだろ。あいつ偉そうだし」
「ちょっと!王子様の事そんな風に言わないでよっ!歳近いんだし、エドワード王子様と話すことあるよね?」
「えっと…うんっ…あのね、小さい頃から仲良くしてくれてて夜いつも一緒に寝てるよ」
そう言うと何故かみんなすごく驚いた。
「きゃあ!本当に!?エマちゃん、エドワード王子様に見初められてるんじゃない!?」
「へ?見初められてる…?」
「絶対そうだよ!エマちゃん可愛いもん!」
「ちょっと待てよ!もう小さい子じゃないんだから一緒に寝てるなんておかしいよ」
「そうなの?…でも、小さい頃からだもん」
「ヴァル、ムキになり過ぎー!エマちゃんの事好きだからヤキモチだ」
エドと一緒に寝てるっていう話でこんな事になるなんて思わなかった。
確かにエドが来るとエドはモニカお姉さんに怒られてるからいけない事だったのかな?
「は!?エマの事なんか好きじゃないし!」
「絶対嘘だよ!エマちゃんの事になるとすぐムキになるもん」
「そんな事ない!エマなんか嫌いだよ!」
ヴァルはそう言うと立ち上がって、向かいに座っていた私の事をドンッと押した。
「ひゃっ…あれ?わっ」
押されて後ろに手をつくと私がいたところの足元の雪が崩れて私の体は斜面を転がり落ちて行った。
「エマちゃんっ!」
「エマっ!!」
みんなの声が一瞬だけ聞こえたけど、声はどんどん聞こえなくなっていって下に落ちるのが止まらない。
そして、何処かに勢い良く打ち付けられていつの間にか意識が飛んでいた。