火の力を持つ国王様は愛も熱い


最後のデザートを食べ終えると歓談の時間が設けられる。


アヴァンカルド王国はお料理も素晴らしかった…あんな美味しい料理食べたのは兄の結婚式の時以来だ。


沢山の人達と挨拶を交わして普段こんな目まぐるしく大勢と話す事はないから途中でバルコニーに出て休憩する。


不思議な事にバルコニーは外なのに暖かい。


夜空が綺麗だなぁ…


「ねぇ、今夜泊まっていかないのー?」

「あぁ。明日は朝から父上の仕事に同行するからな」

「んー…じゃあ、今夜寂しくないようにいっぱいキスして」

「すぐそこに人が大勢いるだろ?」

「柱の陰だから大丈夫だもん…むぅ…ジョシュは私とキスしたくないんだ」

「そんなわけない、バルコニーに人来たら止めるんだぞ?」


ごめんなさい…バルコニーにいて全部聞こえてる…聞いちゃダメなの分かってるけど、今動いたら気付いて二人の邪魔しちゃいそうで動けない。

すると肩をぽんぽんと叩かれ、振り返るとアクアがいて状況を察してくれているのか人差し指を立ててシーっとすると、私の手を引いてダイニングの中の人が少ない窓際に移動した。

「二人に気付かれなかったかな…?」

「大丈夫、二人の世界に夢中になってるから気付かないよ」

「それなら良かった」

「疲れてそうだけど、大丈夫?」

「うん、こんなに多くの人とお話する機会ないからちょっと疲れちゃった」

「今まで避け合っていた隣国との交流だからね…この新たな一歩は大きいものだから」


会話が途切れて、アクアを見るとまた目が合って今回はジッと見つめられる。

え…微笑むパターンじゃないの…?
すごい見てくる!何!?

「…ルーナの瞳って、金色?すごく綺麗な瞳の色だよね」

「え…そんな事ないよ!アンバーって言ってライマーレ王国の王家の人はみんなこの色だし…アクアの透き通ったブルーの方が綺麗だよ」

アクアに外見の事褒められるなんて思ってもみなくて動揺する…

「俺の瞳見てくれてたんだ、ルーナ目が合うとすぐ逸らしちゃうから俺の事苦手かなって思って一人でちょっと落ち込んでた」

「そんな事ないよ!アクアのお顔整い過ぎてて…目が合うと、何だか恥ずかしくなってきちゃうっていうか…」

全然理由になってない…

すると、アクアは驚いた顔をして頬を紅く染めた。

「そ、それは褒め過ぎだよ…」


恥ずかしそうにそう言う姿が可愛くて尊い…


「何でそんな照れるの!?言われ慣れてるでしょ?」

「慣れてないよ…俺、見た目が父上みたいに男らしくないからモテないし…うちの国は男らしい見た目の人とか口説くのが上手い人の方がモテるから」

そのビジュアルでモテないわけないけど…男らしい人の方がモテるって信じきってるから気付かないのかな?

エドワード国王様がモテる象徴なのかもしれない。

さっき挨拶したご婦人達からもエドワード国王様の人気高そうだったし…

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