火の力を持つ国王様は愛も熱い



すると、エドは着ていた服を脱ぎ始めた。



「エマも服脱げ、濡れた服着てたら体暖まらないからな」

「う、うん…」



エドが上半身裸になったのを見ると、急にドキッとした。


あれ…?お風呂だって一緒に入った事あるのに何か…変な気持ちになる。



急いで反対を向いて、自分のびしょ濡れの服を脱いだ。



なんだろう?エドの前で服を脱ぐのも何だか恥ずかしい。



下着だけになるとすぐにエドが毛布を持ってきて後ろから抱き締めてくれた。



エドとくっ付くのだって初めてじゃないのに…なんか……ドキドキしてる……。



「冷えきってるな…すぐ暖まるからな」

「……ん」



エドは自分の体温を上げて私を暖めてくれる。


私の事を一生懸命暖めてくれようとしてるのに、ドキドキしちゃダメだよ。


「………こうしてるとエマと初めて会った時の事思い出すな」

「ん……またエドに助けてもらっちゃった」

「俺が拾って飼い始めた様なもんだしな!責任持ってずっと守ってやるよ」

「ダメだよ、エドは大きくなったら王様になるんでしょ?そしたらエドはみんなのエドになるんだよ。私の事なんて守ってる時間ないもん」


「俺は王の仕事もちゃんとやるし、エマの事も守るよ…俺に出来ないわけないだろ」


確かにエドは勉強も出来るし、剣術、乗馬…何をやってもすぐにやりこなしてしまう。


そしてやると言ったら絶対にやり遂げてしまう。


将来有望な王子様だとみんな口を揃えてそう言う。


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