火の力を持つ国王様は愛も熱い
エドに暖めてもらっていつもの様に話していたらようやく気持ちが落ち着いた。
「…そうだ、エドは一人で私の事助けに来たの?」
国の大事な王子のエドはいつも護衛が付いているはずだけど、もちろん今もここに護衛はいないし助けに来てくれた時も周りに誰もいなかった。
「あー…エマのクラスメートがエマが崖から落ちたって知らせに来て、すぐに助けに行こうとしたんだけど城の兵士達で探しに行くから城で待機してる様に言われたな」
「え……もしかして…」
「いつもの抜け道から出て探しに来た」
私は急いでエドの方を向いた。
「ど、どうしよう…今頃お城大騒ぎになってるよっ」
「俺を探しに行かせない城の連中が悪い。心配するなよ、ここから城までの道はわかる。この辺りは猟の訓練で何度も来てるからな」
「そういう事じゃなくて…」
エドが護衛なしでこんな所にいる事がすごくマズいという事は私でもわかる。
明日帰ったら私もエドもすごく怒られる……
「心配ない。俺はエマを守れればそれでいいよ…無事で良かった」
「うぅ…助けに来てくれてありがとう…」
「おう……感謝してるならお礼に俺の頬にキスしてもいいんだぞ」
「へ?頬にキスするの?」
「そうだ、女が感謝の気持ちを伝える時そうすると学校の同じクラスの女が言ってた。正直クラスの女にしてもらっても嬉しくも感じなかったけど…無性にエマにしてもらいたい」
「そうなんだぁ」
そういえばテストで良い点数取れた時とかお仕事上手に出来た時にモニカお姉さんが頬にキスをしてくれる事があるからそれの事なのかな?
私はエドの頬にチュッと唇を押し当てた。
すると、エドの体がさっきより熱くなった。