火の力を持つ国王様は愛も熱い
王子との出会い
私がこのお城に住み込みで働く事になったのは、14年前の事。
その頃、城下町から少し離れた場所にあるアヴァンカルド国領内の小さな村の遠い親戚の家に住んでいた。
両親は私がまだ赤ちゃんの時に他界していて物心ついた時には親戚の家にいた。
親戚といっても父の祖父の兄弟のお嫁さんの継母の…と、いった血の繋がりのない遠くの親戚でそんな遠くの親戚が孤児になってしまった私を引き取ってくれたのも不思議な話だ。
アヴァンカルド王国は火の力を持つ王族が国を治めていて、隣国のライマーレ王国は雷の力を持つ王族が国を治めている。
火の力を持つ王族が治めているアヴァンカルド王国一帯は年中雪に覆われていた。
本で読んだ話だけど、かつてアヴァンカルド王国とライマーレ王国の間に水の力を持つ王族が治める王国があったそうだ。
火と水の王族はお互いの力を補いながら良好な関係を築いていたけれど、全ての国を我が物にしようとしたライマーレ王国が強硬手段に出た時水の王国は2国を守る為に戦い絶滅してしまった。
水の王国が絶滅をしてしまった時に、大きな力の反動で守った領土は雪で覆われてしまいアヴァンカルド王国の必死な交渉により雪で覆われた領土を守る事が出来たらしい。
その為アヴァンカルド王国は年中雪で覆われていて、城下町には争いが起こらない様にと願いを込められた大きな聖火が灯されている。