火の力を持つ国王様は愛も熱い
卒業まであと1ヶ月。
学校生活も残り少ないせいかクラスの中は何となく落ち着かない。
お城でエドワード王様のお近くのお仕事につくには教養も必要なので卒業までしっかり勉強しないといけない。
「エマ、勉強頑張るよね」
「ちゃんと教養付けないと王様の近くで働けないもん」
「私は卒業したらパン屋に永久就職だからもう学校の勉強いいかなぁ。みんな結婚式来てよね」
「うんっ」
女の子は学校を卒業後は代々城下町で営んでいるお店の跡継ぎと結婚する子が多く、熱心に勉強する女の子はほとんどいない。
結婚かぁ……私は多分この先エドワード王様より好きになる人は現れないと思うからきっと結婚する事はないと思う。
「まぁ、でもお城も出会い多そうよね?メイドと兵士が結婚するとかよくあるみたいね」
「でもエドワード王様素敵過ぎて他の男目に入らないでしょ~!戴冠式見に行ったけど、もう…前より逞しくなってて凛々しくて魅入っちゃった」
「本当?私も見たかったなぁ…」
「やっぱりもうエマも簡単には会えないんだね」
その話を聞くと余計に一目見たくなる。
「……エマ。まだ勉強してるのか?」
そこにやって来たのはヴァルだ。
何だかんだで小さい頃から仲良くしている。
小さい頃はよく意地悪されていたけど、根は優しい。
そして……実は1ヶ月前に小さい頃から好きだと告白をされている。
ヴァルの事はお友達としては好きだけど、その好きではいけないから断ったけど嫌いじゃないなら諦めないと言われてしまって少し気まずい関係になっていた。