火の力を持つ国王様は愛も熱い
次の日。
正式にエドワード王様の専属使用人の任命の通達が来た。
不安でいっぱいだ…
朝礼の前に朝食を済ませる為に食堂に向かう途中で声を掛けられる。
「エマ、おはよう。聞いたよ!エドワード王様の専属使用人に任命されたんだって?」
「アリスー!どうしよう…私なんかに務まらないよ…」
アリスは1歳上の使用人で、歳が近くて同じエリアの掃除担当になったのがキッカケで仲良くなった。
「大出世じゃない!きっと大丈夫だよ!でも、エドワード王様の専属となると今までみたいに顔合わせる機会減りそうだね」
「うん…寂しいな…お休みの日とか今までみたいにお買い物とか行こうね」
確かに前王様とローレンス王子様には専属使用人が付いているけど、見掛けた事がない。
と、いうより誰が専属使用人なのか知らなかった。
朝食を食べ終えて王族の専属使用人専用のミーティングルームにて朝礼が行われた。
前国王様の専属使用人は男性はラザルスさんという方で、最初に挨拶をしてくれた。
朝礼時間ギリギリにやってきたのはローレンス王子様の専属使用人はすごく美人でスタイルの良い女性が二名。
ずっと住み込みで働いていたのに全員一度も見た事がない。
ラザルスさんのリーダーも兼ねているようで、朝礼を仕切っている。
「本日よりエドワード国王陛下の専属使用人に任命されたエマ・ルナールだ。エマ、一言」
「はいっ…雑務以外の経験がなく、至らないところがあるかと思いますが宜しくお願い致します!」
「やだ。平民じゃない…ねぇ、ラザルス。王族の専属使用人は貴族だけじゃなかったの?」
「……昨今までたまたま貴族の者が任命されていたというだけで、貴族でなければいけないという規定はございません」
専属使用人が貴族の人がやっている事にも驚いた。