火の力を持つ国王様は愛も熱い
私の親戚は村で1番大きな家に住んでいた。
そして、後から分かったことは私を引き取ったのはタダで働かせられる小間使いが欲しかったからだった。
服はボロボロ、家の仕事を失敗をした時のお仕置で水をかけられるのがお風呂代わり、ご飯は家族の誰かがご飯を残した時だけ残飯を食べる事が出来た。
寝る場所は部屋で寝る事は許して貰えず、隙間風の入る廊下の隅でいつも蹲っていた。
毎日怒られてぶたれていたけど、雪の中追い出されたくなくて必死で耐えていた。
そんなある日の事。
この日は昨日から誰もご飯を残す事がなくて残飯を貰えず、お腹が空いて足元がフラフラしていた。
「エマッ!花瓶の水換えまだ終わってないじゃないかっ!」
「ごめッなさ……今……すぐ…あの……」
花瓶の水換えをしないといけないのはわかっていた。
おば様はとても恐くて、いつも眉間に皺を寄せていて何かにつけて怒鳴りつけるからおば様が近くにいるだけで萎縮きてしまう。
最近おば様が買い換えたその花瓶はかなり大きな花瓶で、足元がフラフラの今持ったら転んでしまいそうで失敗を恐れて後回しにしてしまっていた。
「何で言った事すぐ出来ないんだ!引き取ってやったのに全然役に立たないじゃない!」
バシーンッ!!
「痛ッ……」
頬を叩かれた瞬間、その勢いでよろけてしまう。
ガシャーンッ!!
よろけた先にあった花瓶を思い切り倒してしまって、花瓶は割れてしまった。
「あ……ごめ…ごめんなさいっ!」
「何やってんだっ!!この花瓶いくらしたと思ってるんだ!!もうお前は出ていけーっ!!!」
カンカンに怒ったおば様は私の服を掴んで無造作に持ち上げると玄関の扉を開けて積もった雪の上に私を放り投げてドアを閉めてしまった。