火の力を持つ国王様は愛も熱い
水門の近くになるとほとんど雪がない…。
恐らくこの辺りは水の国があった場所だ。
そして、水門の先のライマーレ王国の国領は晴れていて緑色の草原が広がっていた。
草原の間を水門から流れる川が一本町へと流れている。
そして草原のずっと先にはライマーレ王国の町があるようで、見たことの無い背の高い建物が何となく見える。
雪のない景色初めて見た…
初めて見るはずなのに何故か不思議と懐かしい様な気もする。
「わぁ……すごい……」
「ライマーレ王国は王族の雷の力を電気に変えて栄えているからな。ただ、向こうの国では水だけは生成する事が出来ないんだ。水の国との戦い以降ライマーレ王国の国領には雨も雪も降らなくなった」
「え…数キロ先が吹雪でもこちらは晴れているのですか?」
「そうだ。この水門を利用してうちの国からライマーレ王国に雪解け水を供給している。俺の祖父が水の供給を条件にライマーレ王国との戦いを和解させアヴァンカルド王国を守った。だからこの水門は平和を保つ為に欠かせない物だ。月に一度必ず視察に来ることになっているから覚えておけよ」
「はい…平和の為の水門…どちらの国にとっても大事な水門なんですね」
「あぁ…視察が終わるまでの間特にする事はないから休んでおけ。帰りも同じだけ歩くからな」
「はい」
エドワード王様が視察している間、邪魔にならないように近くで待機をする。