火の力を持つ国王様は愛も熱い
「でも……実際何もお役に立ててませんし」
「ラザルスの様な専属は求めていない。ただエマの事を目の届くところに置いておきたいだけだ……子供の頃にも言っただろ。俺が拾ったようなもんだからな」
エドワード王様に申し訳ないと思ってしまうのは、子供の頃から助けてもらうばかりで何も返せていないからだ。
こう言ってくださるけど、少しずつエドワード王様に何かお返ししたい。
専属の使用人になれたのだからこれから出来る事を見つけて行こう。
水門の視察からお城へ戻るとへとへとになっていた。
険しい山道を往復して服も泥だらけだ。
靴に雪解け水が染み込んでいて、途中から雪も降ってきたので暖かいお城に戻っても悴む。
エドワード王様のお部屋に着くとエドワード王様は汚れた衣服を脱いで私に押し付けた。
「汚れた衣服の洗濯を頼む。あと風呂に入って来い。俺は先に視察の報告書をまとめるから済ませたら俺の風呂の手伝いに戻れ」
「お風呂後回しにしたらエドワード王様のお体が冷えて…」
「俺が冷えると思うか?」
エドワード王様がそう言うとエドワード王様の体の水分が湯気をたてていた。
「……すぐに洗濯とお風呂済ましてきます」
エドワード王様は忙しいんだから言われた通りにしないとってわかってるのに…
空回りしちゃうな。