火の力を持つ国王様は愛も熱い
「……私……エドワード王様が……いなくなるのは嫌です……ふぅッ」
エドワード王様がいなくなってしまった時の事を考えるだけで涙が溢れてきてしまった。
「泣くな……一説では対処しなければ体は燃え尽きるとあるが、説に過ぎないだろ?以前に力の強い王族がいたのは100年近く前の事で実際誰も見た事のある者はいないのだから」
「でも……エドワード王様のお体はいつもより熱を持ってます…」
「それは……裸のエマを抱いてるからだ!俺だって男だ、発情しないわけが無いだろ」
「へっ!?そんなっ……えっとっ…」
「……いいか?昔から数え切れないくらいエマに発情してきたが、我慢してきた。俺は精神力も鍛えてあるからな……エマ、俺はずっとローレンスが王の修行を終えたら王位を譲るつもりだった。薬という大きな弱点があっては国を守るのに向いていないからな」
「エドワード王様が国王様に向いていないなんえそんな事ありません!人望も厚いですし、国民想いのエドワード王様の事誰もが認めております!」
「言ってくれるな……エマ。王の座を降りてから言うつもりであったが、今言おう。俺が王でなくなったら……結婚してくれないか?」
「……え?結婚?」
「俺はエマに初めて会った時からずっと……べた惚れだ。すぐに結婚したいところだが、王であるといくら子供の頃から白に仕えていたとはいえ、そう簡単には認めてもらえないからな」
「そんな事っ…急に言われましても…」
突然の事で動揺する。
ずっと恋をしていたエドワード王様の言葉は嬉しくないわけがないけれど……王様でなかったとしてもエドワード王様は王族で…それに…
「今伝えておきたかっただけだからすぐに返事はいらない……それにローレンスが修行を終えるまで俺が生きていたらの例え話だ。そんなに深く考えるな」
エドワード王様は笑いながらそう言うと握っていない方の手で私の頭を優しく撫でた。
初めてお会いした時あんなに見窄らしい格好をしていて孤児の私を想ってくださっていたなんて勿体無いお言葉で…
また涙が溢れて来る。
エドワード王様は明日どうなるかも分からない身だ。
エドワード王様と結ばれる身分ではない事は重々承知しているけれど想いだけでも伝えておきたい…。
「グズッ……私も……エドワード王様の事……ずっとお慕いしておりました……」
「ふっ……それでは決定だな。時が来て正式に決まったらずっと我慢していた発情は一切抑えないから覚悟しておけよ」
エドワード王様はそう言って強く抱き締めてくれた。