火の力を持つ国王様は愛も熱い
「エドワード王様の命の危機なんだからじいちゃんだって許してくれるよ!」
「うーん…でも…」
お城の人に伝われば皆絶対にエドワード王様を助けようとするのは確かだ。
しかし、エドワード王様がその形で製薬されたとしてもその薬は飲まない様な気がする。
お爺さんが認めた人にしか製薬方法を継がせないのにもきっと深い理由があるだろうし。
エドワード王様の命を救いたいのは私も同じだけど……
「……俺もいくらエドワード王様の命に関わる事でも、じいちゃんとの約束を破るのはダメだってわかってるんだ……でも、このまま何もせずエドワード王様が燃え尽きていく姿を見ていたくない!もし製薬の方法が分かったところ薬は絶対作らないって約束する!もしかしたらこの場所に薬以外に解決する方法がわかるかもしれないだろ?見に行くだけでもダメかな…?」
アル君は涙を零しながらそう言った。
「……わかった。ここの事もここに行く事も私とアル君だけの秘密だよ?」
「うん……絶対に話さない」
薬以外の方法があったとしたら、実行されているはずだとは思うけど……でも、もしかしたら何かあるかもしれない。
私とアル君は二人でその部屋がある洞窟に向かった。
アル君の家へ繋がる洞窟の中にそこへ繋がる道が隠されているらしい。
製薬所が焼けてしまったからもうあの場所は隠される事はなく後処理の為、洞窟の周辺にはお城の兵が沢山いた。
アル君の案内で、別の道から洞窟へと入ってその場所へと向かった。