火の力を持つ国王様は愛も熱い


「美女じゃ!お前さんは何処の娘さんじゃ?結婚はしているのか?」

「エマ、じじいは放っておいて帰ろう?もう暗くなってきたよ」

「うん…おじいさん、お話ありがとうございました…私はお城に仕えております、また何かありましたらお話を聞かせてください」



挨拶をしてアル君とお城へと帰る事にした。



おじいさんの話ただのホラ話ではなさそうだ。
明日おじいさんが言っていた酒場に聞き込みに行ってみよう。



「それじゃ、じいちゃんの様子見てから食堂行くね」

「うん、夜一人で眠れそう?」

「大丈夫だよ!昨日は色々ショックだったけどさ…明日また水の王族の生き残りの手掛かり一緒に探しに行こう?」

「そうだね…今日はゆっくり休んでね」



アル君と別れて、エドワード王様のお部屋へと向かった。


すると、部屋の前の護衛兵に呼び止められる。


「エマ、エドワード王様は部屋にはいないぞ」


「そうなのですね…それではお戻りになるのお待ちしてます」


昨日の件で忙しそうだな……お体の事もあるのに無理してないか心配。


「いや……エドワード王様は地下の火の力の訓練所におられる」

「え?訓練所…ですか?」

「薬を処方されていないからな、体温が上がってしまわれて発火の恐れがあるから引火の危険のない訓練所に運ばれたんだ」

「……運ばれた?」


私は話を聞くとすぐに地下に向かって走り出した。



やだ……



まだ水の王族の手掛かり掴めてないのに!


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