火の力を持つ国王様は愛も熱い
唇が離れるとエドワード王様は少し考える様な素振りを見せた。
「…エドワード王様?どうかされましたか?」
「二人きりの時は昔のように『エド』でいい。敬語もいらん」
「えっ…そんな失礼な事…」
「結婚を約束した仲だろ…嫌なら良い」
エドワード王様はそう言うとぷいっと反対を向いてしまう。
急にそうされると寂しくなる…
「あの…エドワード王様……」
「…」
「うぅ…エドっ」
そう呼ぶとすぐにこっちを向いてまた抱き締めてくれた。
「やっぱりエマにそう呼ばれるのは嬉しい」
「二人きりの時だけですよっ」
「敬語は?」
「あ……慣れるまで…時間掛かりそう…」
今日は疲れてるはずなのに、お互いの気持ちを分かりあったせいか手を握ったりキスをしたり、お喋りしたりしていると幸せでずっとこの時間が続いてほしくて…なかなか眠れなかった。
次の日。
エドが起きないようにベッドを抜けて、使用人用のクローゼットルームで支度をする。
「あーっ!もう最悪!聞いてよ!ローレンス王子、昨晩気が乗らないって私の誘い断ったのよ!」
昨晩、高級そうな下着を身に付けていたローレンス王子の専属メイドが下着をゴミ箱に投げ捨てながら怒っていた。
あ…あんな綺麗な下着なのに…
「そういう日もあるわよ、ほら。先日エドワード王様が大変だったじゃない」
「そうだけど、女の誘い断るなんて!」
すごく怒ってる…