火の力を持つ国王様は愛も熱い
するとエドは急に顔を真っ赤にさせた。
……あれ?モニカお姉さん独り占めしちゃったから怒っちゃったのかな?
「べ、別に!エマはどんな格好してても…一緒だもん!」
「素直じゃないんだから。相当お気に入りのくせに!エマちゃん、エドワード王子はどんなエマちゃんでも可愛いって」
「そんな事言ってねーしっ!」
「そうだ、こんな事してる場合じゃなかった!エマちゃんおねんねの前に少しだけお家のお話聞かせてね?エドワード王子は先に1人でおねんね出来るかな?」
「やだ!オレもエマと一緒にいるのっ!今日一緒におねんねするの!」
エドはそう言うと私の手を繋いで離さなかった。
結局エドと一緒に追い出された経緯についてエドのお父さんに話す事になった。
「……それで……あの……帰るところなくて……ふえぇッ」
話してる間エドがずっと手を繋いでいてくれたから不思議と落ち着いて話す事が出来た。
追い出された時の事を思い出すとまた涙が溢れてくる。
「エマ!オレのお友達として雇ってやる!住み込みで働け!」
「エド…お友達は雇うもんじゃないぞ。エマちゃんごめんね」
「だって……エマがまた裸足で寒い格好で雪の中歩くの嫌だもん!」
「……わかった。明日エマちゃんの保護者も納得のいくよう話をつけよう。今日はもう遅いから二人とも休みなさい」
モニカお姉さんが来て、私とエドは今日泊まる部屋へと連れて行っていってもらった。
部屋に着くとモニカお姉さんはしもやけになっていた私の手と足にお薬を塗ってくれる。
手も足もしもやけになって痛いのはいつもの事だけど、痛いとか言えるわけがなくていつも我慢していたからこうしてお薬を塗ってもらうのも初めてだ。
「それオレが暖めたら治る?」
「これは暖めても治らないですよ、でもお薬塗っておけば大丈夫だからね」
「…モニカお姉さん、私、やっぱり明日おばさんのところ帰らなくちゃ駄目なのかなぁ?」
ずっとここにいたいけど、本当はおばさんのところに戻らなくちゃいけないって何となくわかる。