火の力を持つ国王様は愛も熱い
コンコンッ
「何用だ?」
「お取り込み中失礼致します。リリィ姫様が御到着されます」
「相分かった。すぐに向かう」
「リリィ姫は長旅で疲れているだろう。挨拶は早めに切り上げて休ませよう」
広間に向かう途中でローレンス様と合流するけど、何となく浮かない表情をしている。
「ほれ、ロン坊!なんて顔している!遠方から参られた姫様の前にそんな表情で出迎えては失礼だろう」
「父上!ロン坊って呼ばないでよ…もう子供じゃないんだからさ…分かってるって…着くまでには顔作れるし」
「ローレンスは女好きのくせに珍しいな」
「そんな言い方しないでよ、女の子はみんな可愛いじゃん。でも、リリィ姫は13歳の子だよ?性的対象外なんだけど。18歳になってからうちに来るって聞いてたのに、他の女の子と遊びにくくなるじゃん」
「2歳しか変わらないだろ…俺だってエマと2歳離れてたけど歳なんて関係なかったぞ」
「兄上と一緒にしないでよ、兄上ずっとエマにデレデレしてエマの遊びに着いて回ってるの見苦しかったよ」
「何!?言わせておけば…」
「これ!二人とも!全く子供の頃と変わらんな…」
広間に着く頃にはローレンス様はいつもの甘いマスクになっていて、姫様の御到着を待った。
広間の扉が開くと、ブラウンのウェーブのかかったアップの髪に薄いグリーンの大きな瞳であどけなさの残るとても愛らしい姫様が立っていた。
すごく可愛い…
お姫様のイメージそのものだった。
ローレンス様はすぐにリリィ姫様の前へ歩み寄り、跪いた。
「リリィ姫。お初にお目に掛かります。私、ローレンス・アヴァンと申します。お会いできて光栄でございます。お手を宜しいでしょうか?」
リリィ姫が手を前に出すとローレンス様は手の甲に口付けをした。