火の力を持つ国王様は愛も熱い


立ち上がり、部屋に備え付けられたクローゼットルームの鏡で見ると靴が可愛過ぎて嬉しくなる。

「お似合いですよ」

「……悪くないわ」

私はそう言ってローレンス様から顔を背けるのに窓の外を見るとたくさんの花が咲き誇る庭園が見えて窓に飛び付いた。

「すごく素敵な庭園!ねぇ!どうして……あ………」

雪国のこの地に暖かい季節にしか咲かない花がたくさん咲いているのにも驚いてまたつい反応をしてしまった。
するとローレンス様はまた優しく微笑む。

「僕に炎の力がある事は知ってるよね?あの庭園は僕が炎の力で管理している場所であの庭園部分だけ花に最適な温度を保っているんだ。まだ訓練中だから庭園部分しか任せられてないけど」

「へぇ…」

庭園行ってみたいな…

「庭園行ってみる?疲れてたら夕食まで休んでてもいいし」

「行きます」

「うん、それじゃ行こうか」

「あ…靴履き替えます…汚したら大変なので」

「そのまま履いていこうよ、折角似合ってるから履いて欲しいな。気に入ってくれてるなら鑑賞用にもう1つ同じの作ろうか?」

「…大丈夫です、この靴履いていきます」

素敵な靴を履いて、素敵な庭園に行けるなんて思ってもなかったからすごく嬉しい…

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