火の力を持つ国王様は愛も熱い
「うーん…きっと国王様が何とかしてくれると思うわ。国王様は子供にとても優しい人だから」
「エマ!安心しろ!戻されたらオレがエマの事誘拐するよ!」
「こーら、王子様が誘拐とか物騒な事言わないの。ほらエドワード王子はお部屋に戻って」
「やだ、エマと一緒に寝る!明日起きたらエマがいなかったら嫌だもん」
「今日は一段とワガママなんだから…今日だけですよ?」
「やったぁ!」
エドと一緒にいられるのが私もすごく嬉しかった。
二人ともパジャマに着替えさせてもらうと、モニカお姉さんはエドにお水を用意した。
「いらない、今日はお薬飲まないよ。先生が今日は止める日だって」
「そうなんですか?そしたら氷枕の用意しないと…」
「いらないっ…エマが寒くなるだろ!」
「…エド、病気なの?」
「違うよ?えっとね…オレ、火の力がちょっとだけ強くて夜暑くて眠れないんだ」
馬車の中で温かかったあの力の事かぁ。
「そうなんだぁ…私、いつも寒いところで寝てるから大丈夫だよー」
「いいの、寝よう?モニカ、おやすみなさい!」
エドに引っ張られて2人でベッドに入った。
「…そしたらエドワード王子の横に氷枕置いておきますから眠れない時は使ってくださいね」
「わかった」
モニカお姉さんは部屋の灯りを消すとおやすみと言って部屋を出て行った。
ふかふかのベッドで寝たのすごく久しぶりだ。
おばさん達が旅行に行ったりして家を開ける時、小さい子供を一人で家にお留守番をさせてはいけないルールがあるのでベビーシッターさんが呼ばれるのでその時だけはベッドで寝る事が出来た。