火の力を持つ国王様は愛も熱い
すごく寝心地が良い…
暖かく優しい何かに包まれてるみたい…
「ローレンス…リリィ姫…おい、ロン!」
「ふえっ!?朝ですか?」
突然の声に驚いて飛び起きると私はなんと庭園のベンチでローレンス様の膝枕で眠っていて、ローレンス様は私に膝枕をしながら眠っていた。
声の方を見るとエドワード王様とあのすごく美しいエドワード王様の専属メイドのエマさんが立っていて私は慌てて起き上がった。
「ん…何…?」
「何じゃないだろ、何でこんな所で寝ているんだ!お疲れのリリィ姫をこんなところで寝かせて」
「だって気持ち良さそうに寝てるのに起こしたら可哀想じゃん」
「あの!私、眠気が限界になると何処でも眠ってしまうんです!申し訳ございません…到着早々…自室以外のところで御無礼を…うぅ…」
私は急いでエドワード王様に頭を下げた。
「いや、リリィ姫に言ったわけじゃないんだ…堅苦しくならず気楽に過ごせ」
エドワード王様はそう言って私の頭をポンと撫でてくれた。
エドワード王様はお体が大きく、甘いマスクのローレンス様と違って凛々しく少し強面だけどすごく包容力があって素敵な国王様だ。
「あぁ、そうか…もう夕食の時間か。リリィ姫今日はリリィ姫をもてなす晩餐会だからダイニングルームまで一緒に向かおう」
ローレンス王様はそう言って私の手を握った。
なんか…手繋ぐの当たり前みたいになって来ちゃってやだな…
「あら…リリィ姫様のお履き物素敵ですね!とてもお似合いです」
エマさんが私の靴を見て反応してくれた。
「…ローレンス様から頂きました」
「そうなんですね、素敵な贈り物ですね」
ローレンス様からという事を除くと本当に素敵な贈り物だ。
エマさんを改めて見ると、エマさんは昼間見たメイド服ではなく素敵な水色に透明のキラキラしたビーズがあしらわれているドレスに身を包んでいてとても綺麗で…例えるなら水の妖精さんみたいだ。
アヴァンカルドでは専属使用人も晩餐会ではドレスを着て参加されるのかな?
「エマさんのドレスをとても素敵で…」
「ん?そういえばエマがドレス着てる!何ですぐに気付かなかったんだろう!すごく似合ってるよ」
ローレンス様はすごく驚いた様子でそう言った。
「そんな……こういったドレスを着るのは初めてで…」
「ふっ…俺がエマの為に用意したんだ。似合わないわけないだろ」
エドワード王様はそう言ってエマさんの肩を抱き寄せた。
え…?ん?………え!?
「エ、エドワード王様…今は…」
「この二人にはどうせ数分後に報告するんだから良いだろ」
「あー…ハイハイ、大体予想はついてたよ。通りで人通りのほとんどないここ通ったわけだ」
「???」
「ほら、僕達は国王陛下より前に到着してないといけないから兄上達はあとから来てよ、僕達は先に行こう」
「は、はい…お先に失礼致します」
ローレンス様に手を引かれて先にダイニングルームへと向かう。